米朝首脳会談が取り消し、損失は米国の方が大きいか

米朝首脳会談が取り消し、損失は米国の方が大きいか。

タグ:米朝首脳会談 取り消し

発信時間:2018-05-25 14:44:06 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 米ホワイトハウスは24日、トランプ大統領が朝鮮の最高指導者・金正恩氏に宛てた書簡を発表した。トランプ氏は書簡の中で、6月12日にシンガポールで予定していた金正恩氏との会談を取り消すと宣言した。朝鮮は同日、5カ国の記者に見守られながら、豊渓里核実験場の坑道を爆破したばかりだった。情報が発表されると、世論が騒然とした。トランプ氏はなぜこのタイミングで会談を取り消したのだろうか。朝鮮半島情勢及び米朝関係の発展にどのような影響を及ぼすのだろうか。


 遼寧社会科学院の呂超研究員は、環球時報のインタビューに応じた際に「トランプ大統領が首脳会談を取り消した表面的な理由は、崔善姫外務次官らの対米批判に対する不満だが、その裏には米国社会に存在する力強い対朝強硬派という実質的な理由がある。例えばペンス副大統領、ボルトン補佐官(国家安全保障問題担当)らは、朝鮮への圧力強化を主張している」と述べた。


 「米国の対朝強硬派には、朝鮮は米国の軍事的抑止力に屈して態度を変えたという、頑なな考えがある。彼らは米朝会談を朝鮮に対するご褒美としている。米国防総省は数日前に報告書を発表し、朝鮮は依然として核兵器発展を重視する可能性があるとした。この報告書そのものには何ら根拠がないが、米国の強硬派の力を伺い知ることができる。これらの圧力を受け、トランプ氏はより強硬な姿勢を示す必要があった」と分析した。


 中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、環球時報に対して「朝米会談そのものが急な話であり、トランプ氏本人が即座に決めたことで、腹心と相談していなかった。これは当初より内部に大きな圧力があったことを意味している。今回の書簡は、国内の勢力が早くから準備していたものと見られる」と話した。第3者から見ると、朝鮮の最近の米強硬派と韓国保守派に対する動きはやや感情的であり、朝米間で激しい罵り合いがあった。これは双方に問題がある。


 首脳会談の取り消しは、半島情勢と米朝関係にどのような影響を及ぼすだろうか。呂氏は「米国の取り消しは非常に愚かだ。まずトランプ氏本人についてだが、この決定を下しても強硬派から支持を集めることはないが、その他の勢力から猛批判を浴びる可能性がある。トランプ氏は先ほどイラン核合意からの離脱を発表したばかりだが、さらに米朝首脳会談を取り消したことで、個人的な信用と選挙戦に大きな悪影響が及ぶ可能性がある」と予想した。


 次に、米韓同盟関係も大きな課題を迎える。韓国の文在寅大統領は22日夜、4日間の訪米を終えソウルに戻った。呂氏は「文氏の今回の目的は、米朝首脳会談の開催促進だった。以前発表された情報からも、文氏とトランプ氏が当時の会談で、多くの問題で合意に達していたことが分かる。文氏はさらに、米朝首脳会談が間違いなく開かれると発言していた。ところが今や、韓国の顔に泥が塗られた。また米国のこの措置は、半島非核化をめぐる中国との協力を損ね、国際社会で信用を失墜させる」と指摘した。


 トランプ氏のこの書簡により、朝米首脳会談の可能性は完全に絶たれたのだろうか。それとも実現の余地は残されているのだろうか。呂氏は「取り消したからといって可能性が完全に絶たれたとは言えない。両国は今後、さらに激しい駆け引きを展開する可能性がある。米国が完全に諦めることはなく、メンツを取り戻すため朝鮮にさらなる要求を突きつけるだろう。トランプ氏は以前、米国が朝鮮よりも首脳会談を必要としている印象を与えたくないと発言しており、これにより朝鮮に揺さぶりをかけようとしている可能性がある。しかし情勢は米国が想像するよりも複雑かもしれない。朝鮮にとっては何の損失もなく、原点に戻ったばかりか核実験場を爆破したことで、道義的に国際社会から支持を集めることができる。しかし米国にとって、朝米関係が再び損なわれ、戦わず和解せずというジレンマに陥り、未来の駆け引きはさらに難航する」と分析した。


 金氏は「公平な第3者である中国は十分に力を発揮する。朝鮮に過激な反応をしないよう促し、米国には勝手な振る舞いをしないよう伝える」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月25日


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