朝米首脳会談が目前に、双方の駆け引きに要注目

朝米首脳会談が目前に、双方の駆け引きに要注目。

タグ:朝米首脳会談 駆け引き

発信時間:2018-06-11 14:53:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 朝鮮の最高指導者の金正恩氏と米国のトランプ大統領が10日、前後してシンガポールに到着した。両首脳が12日に予定している会談が、カウントダウンの段階に入った。


 朝米首脳会談は紆余曲折を経て推進されたが、これは双方が対話の手段により朝鮮の核問題を平和的に解決しようとしているためと分析されている。しかし両国の相互信頼が弱いため、1度の首脳会談ですべての問題を解消することは困難だ。半島が真の平和に向かうまで、まだ長い時間がかかる。


 共通する願い


 今回の朝米首脳会談の中心的な議題は、半島の非核化と、米国の朝鮮の体制に対する安全保障となる。米シンクタンク・韓国経済研究所のアナリストは「米朝が平和協定の締結推進で合意に達すれば、各国が引き続き外交の手段により半島の核問題を解消しやすくなる」と指摘した。


 朝米首脳会談が現段階まで推進されたのは、双方が対話の手段により朝鮮の核問題を平和的に解決しようとしているためと分析されている。


 今年開催された朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会は発展戦略を調整し、すべての力を総動員し社会主義経済の建設を行うことを決定した。吉林大学行政学部国際政治学科の王生教授は「朝鮮国内の経済建設の実現には、安全で安定的な国際環境が不可欠だ。そのため朝鮮半島の戦争状態を早期終結し、米国から体制の安全保障の約束を得て、関連国と関係正常化を実現することが、朝鮮側の主な関心事となっている。朝米首脳会談は、朝鮮がこれらの目標を達成するための重要な一歩目だ」と指摘した。


 米国にとって、半島の非核化は国家安全に関わる。朝鮮と半島非核化について合意に達すれば、トランプ政権の重大な外交の成果になる。有権者からの支持を固め、未来の2期目続投に向けポイントを稼ぐことができる。


 残る食い違い


 朝米がいかに半島の非核化を実現するかといった重要問題をめぐる食い違いは、両国が乗り越えるべき主な壁と指摘されている。


 米国側は朝鮮に、「完全かつ検証可能で不可逆的な」核廃棄を求めており、それから朝鮮への制裁を解除するとしている。朝鮮側は半島の「段階的、見返りを伴う措置」による非核化を主張している。


 中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の王俊生副研究員は「米国は短期的な核廃棄を求めているが、これは朝鮮の段階的という主張と大きな食い違いがある。また米国は核廃棄してから安全保障の議論を一貫して主張しているが、これは見返りを伴う措置という朝鮮の手段と大きく異なっている」と話した。


 専門家は「米朝は核廃棄の手段をめぐっても、大きな食い違いを残している。そのため首脳会談が開かれたとしても、合意に至る可能性は低い。双方はハイレベル接触の継続で合意するだろう」と予想した。


 アナリストは「トランプ氏の態度には最近変化が生じており、朝鮮との交流が一つの過程を踏まえる必要があることを認識したように見える。朝鮮の核問題は、1度の会議で徹底的に解消できない」と述べた。


 カーネギー国際平和財団のダグラス・パール副会長は「1度の首脳会談で米朝が双方の需要を満たすことはできないが、正しい方向に前進していることは間違いない。双方は将来的に多くのルートを通じて、具体的かつ詳細な問題を解消していかなければならない」と話した。



「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月11日


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