一般的に、空母のレーダーは地球の湾曲度の影響を受けるため、低空・超低空の目標を探知する距離が短く、発見時にはすでに接近されている。そのため空母には「近眼」の問題がある。KJ-600のレーダー探知距離は数百キロに達する見通しで、さらに高空の早期警戒で地球の湾曲度の影響を受けないことから、ほぼ死角がなくなる。これによって、空母の防空警戒範囲が数百キロ拡大する。さらにKJ-600が就役すれば、中国の空母が位置を露呈する可能性も大幅に低下する。
空母の空間と艦載量に限りがあることから、一般的な早期警戒機と比べ、艦載早期警戒機は軽量化が必要だ。そのため多くの機能の中から、必要最小限のものを選ばなければならない。例えば早期警戒機の体積が減り、探知距離と航続距離が短くなる。また艦載早期警戒機は海洋環境への適応にも力を入れる必要がある。耐塩性、防水、耐侵食などの高い機能を持たなければならない。
蘭氏は「KJ-600は次世代電磁カタパルト空母に艦載される可能性が高い。そのため早期警戒機はスキージャンプではなく、カタパルト発艦しなければならない。遼寧艦の艦載機はスキージャンプで発艦する。スキージャンプの場合、艦載機のエンジンの出力を大きくし、搭載する燃料と弾薬を少なくしなければならない。艦載早期警戒機は正反対で、体積が大きく重量があり、エンジンも大きな出力を必要としない。KJ-600の開発が成功すれば、スキージャンプの空母から発艦できないはずだ」と説明した。情報によると、E-2はカタパルト発艦を採用している。「スキージャンプと比べ、カタパルトはより大きく重い軍機を発艦させられ、空の戦力強化に大きな影響を及ぼす」
KJ-600はいつ艦載されるのだろうか。蘭氏は、中国の電磁カタパルト空母の進水と同時と予想している。しかし電磁カタパルト空母は開発が困難で、いつ進水するのかは未知数だ。そのためKJ-600の艦載については、我慢強く待つ必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月2日