米CNBC(電子版)によると、ジョン・ハイテン米戦略軍司令官は火曜日、ロシアと中国は米国の「トモダチ」ではないと述べた。両国は極超音速兵器を開発中であり、これは米国が現状では防御できない脅威だというのだ。この空軍大将の発言は、外交のマナーを感じさせず、衝動的だ。
中国航天空気動力技術研究院(CAAA)は先ほど、極超音速飛翔体「星空2号」のテストに成功したと発表した。その飛行速度はマッハ6、つまり音速の6倍で、時速に換算すると7344キロ。この「順調な成功」を遂げたテストには重大な意義がある。中国はこれにより、米露に続き3番目にこの先端技術を手にした国になった。
西側メディアはこのテストと中国の極超音速兵器の開発との関係に注目している。彼らは軍事専門家の分析を引用し、極超音速兵器は現在のすべてのミサイル防衛システムを突破し、かつ核弾頭を搭載できるため、戦略的な抑止力を形成すると伝えた。
CNNは「中国側のこの技術進歩は、米軍へのプレッシャーを強めることで、米国に焦りを覚えさせる可能性がある。米国は長年に渡り極超音速飛翔体のテストを続けており、2010−13年にはボーイング社のウェーブライダーのテストを行い、速度がマッハ5に達した」と報じた。
米国は中国が極超音速飛翔体を研究しているからといって懸念する必要はない。懸念すれば、国際関係のある種の結果に至るからだ。それよりも軍事への転用が可能なハイテクを持つのは米国だけではないことに、平常心を持つべきだ。
メディアの報道を見ると、米国の極超音速飛翔体の開発は、中国より何年も先を進んでいることが分かる。米国の武器の先進性は、この新しい分野でも保たれている。米国の軍事力の圧倒的な優位性については、この方向で危機が生じていない。中国のパワーの発展に対して、米国は自国の安全が脅かされない自信を持ち続ける理由がある。
その他の国防に使用可能な技術の開発と同じく、中国の極超音速飛翔体の開発の動機も、米国の安全を脅かすこと、もしくはその世界的な覇権に挑戦することではない。中国は自国への恫喝と脅迫を阻止する抑止力を強化することで、大国間の軍事力に大きな開きがあることで、外部の勢力が中国に屈服を強いようとする衝動を持つことを回避している。
全体的に見ると、軍事的には「米強中弱」であり、この基本状況は米国の対中関係の処理でも貫かれている。しかし中国の抑止力は西太平洋地域の戦略的バランスを促進し、アジア太平洋の平和と民主を促している。それは重要な時に、いかなる覇権も程を知るべきだと伝える。
パワーを強化しながら、戦略的な冷静さを維持する。中国は米国の前で、尊厳のある謙虚な姿勢を維持している。中国は冷静であり、永遠に覇を唱えないは中国の国策になっている。中国には米国の覇権を脅かそうとする意図はなく、そのような実力も持たない。中国の対米戦略の基調は、協力であるべきだ。また我々は自国の利益を守る能力を持たなければならない。圧力に直面しても、非合理的な要求に対して自信を持ってノーと言うべきだ。
これは大多数の中国人の、今日の中米の駆け引きに対する全体的な認識であり、米中関係の実際の構造でもある。米国側は戦略的に圧倒的に有利だが、中国側には核心的利益を守る資本がある。中米はこの点をよく理解し、各自の本分を守り、両国間系の系統的な安定を維持するべきだ。
米国は歴史的な中米軍事技術の格差を維持しようとむきになるべきではない。それは非現実的であり、この目標に固執すれば米国側は消耗するだろう。中国側は米国側のパワーの優位性を尊重し、米国とパワーの駆け引きを自ら展開するのではなく、軍事的駆け引きを避けて目標を達成するべきだ。
中国の全体的な科学技術水準の向上に伴い、軍事に使用可能な技術成果も続出する。しかしいかなる状況であっても中国が軍国主義の道を歩むことはない。中国の軍事費は現在もGDPの1.3%のみで、米国の比率はおろか、米国の多くの同盟国をはるかに下回っている。
中国は非常に厳格な戦略的防御型国家だ。軍事技術の進歩により、中国がこれを変えることはない。米国の軍事技術は中国に大差をつけており、この構造は今後長期に渡り不変だ。米国が安心し、中国のように相手国の軍事力の絶対的な優位性を尊重するように、中国の軍事技術の進歩を尊重することを願う。中米のこの相互尊重の黙契は、アジア太平洋地域の平和と安定の礎の一つになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年8月9日