習近平国家主席は14日、フィンランドのニーニスト大統領と北京で会談した。両国首脳は両国関係発展の新たな章を共に記すことで一致し、「中国フィンランド・ウィンタースポーツ年2019」の開幕式にも出席した。ニーニスト大統領は習主席の招待で13日から16日まで国賓として中国を訪問している。大統領としての訪中は2013年以来2回目だ。(文:張健・中国現代国際関係研究院欧州研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
習主席が2017年4月に国賓としてフィンランドを訪問した際、双方は未来志向の新型の協力パートナーシップを構築することを発表した。両国間の頻繁な上層部相互訪問は両国の伝統的な友好の表れであり、両国協力の持続的深まりも双方の政治的相互信頼をさらに強化し、一層実務的かつ効率的な両国協力の実現を後押しするものだ。
中国とフィンランドは互いに尊重し、対等に付き合い、互恵的に協力している。両国関係は制度の異なる国家間の関係の模範だ。両国はイデオロギーが異なるが、それが通常の実務協力の妨げになることはなく、双方間には率直で誠意ある意思疎通と相互理解がある。両国関係は西側先進国と途上国との協力の模範でもある。両国は発展段階が異なり、経済発展の補完性が強い。フィンランドは対中協力にチャンスをより多く見ている。これは冷戦思考が災いして、中国を色眼鏡で見て、中国を脅威と捉える一部の国とは極めて対照的だ。中国とフィンランドの関係はまさに新型の国際関係を代表するものであり、相互尊重、公平・正義、協力・ウィンウィンであると言える。
中国・EU関係及び国際情勢には現在、いくつか変化が生じている。中国とEUの関係について言えば、EUは対中政策における積極性がいくらか下がっている。第1に、米国を模倣して投資審査制度を設け、保護主義を顕わにしている。第2に、EUを「分断」していると中国を非難している。第3に、中国が中国モデルの輸出を企てていると疑っている。世界を見ると、一国主義と覇権主義が依然台頭し、世界の発展はさらに大きな不確定性を抱えるようになっている。この趨勢はフィンランドだけでなく中国にとっても、さらには国際情勢の安定と予測可能な発展にとってもマイナスだ。フィンランドは開放型エコノミーであり、安定した包摂的な国際環境を必要としている。世界の不確定性が高まり、保護主義が台頭する中、中国は開放を主張し、世界各国の協調的発展を支持している。これはフィンランドにとって大変貴重なことであり、両国は多くの主張と利益を共有している。これは双方が日増しに互いを重視するようになっていることの重要なバックグラウンドでもある。
中国とフィンランドの関係では、双方は経済、貿易、科学技術、人的・文化的交流を日増しに深めている。ウィンタースポーツ、クリーンエネルギー、情報、AI、林業、食品など多くの分野で両国間には大きな潜在力がある。中国とEUの関係では、英国がEUから離脱する中、開放を主張し、ウィンウィンを図るEU及びユーロ圏の加盟国であるフィンランドは、中国とEUが溝を解消し、協力を深めるうえでさらに重要な役割を果すことになる。
フィンランドは米国、EU、ロシア、中国など世界の主要なパワーのいずれとも良好な建設的関係を長年維持し、大国間の競争と世界情勢の変化を注視している。北欧、EU、ユーロ圏、西側、北極評議会のメンバーであるフィンランドは独自の役割を発揮して、中国と共に新型の国際関係と人類運命共同体の構築を後押しすることができる。
フィンランド大統領による今回の訪中は申し分のない成功を収め、中国とフィンランドの協力をさらに高い段階へ押し上げ、中国とEUの協力に新たな原動力を与え、世界の平和・安定・発展に新たな貢献を果すものと信じる。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年1月16日