朝米が首脳会談再開に意欲的、なおも横たわる障害

朝米が首脳会談再開に意欲的、なおも横たわる障害。米朝の第3回首脳会談に関する発言、空間を隔てての交流により、膠着状態の打破に一縷の望みが生まれた…

タグ:トランプ 大統領 首脳会談 

発信時間:2019-04-18 16:20:45 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ベトナムでの首脳会談後、米朝の非核化をめぐる協議は膠着が続いており、すでに1カ月以上になる。米朝の第3回首脳会談に関する発言、空間を隔てての交流により、膠着状態の打破に一縷の望みが生まれた。朝鮮の指導者である金正恩氏が、トランプ米大統領との3回目の首脳会談を希望すると、トランプ氏が直ちに積極的に反応した。希望が見えてきたことは喜ばしいが、暗い雲も渦巻き懸念を禁じ得ない。


 金正恩委員長は今月10日、朝鮮労働党党中央委員会全体会議で、「自力更生の旗印を高く掲げ、我々に屈服させようと躍起になる敵対勢力に重い打撃を与える」と述べた。米国の制裁に屈しない朝鮮の強い意志を明確に示した。


 トランプ氏は12日、文在寅大統領と会談した際に「制裁を維持するつもりだ。第3回首脳会談を開催してもよいが、段階的に進めるべきで、焦ることはない」と応じた。それから「さまざまな小さな取引をすることができるが、現在は大きな取引、つまり核兵器廃絶について検討中だ」と述べ、米国が制裁を軽率に解除することはないことを示した。


 金氏は「朝米間に根深い不信任と敵対意識が存在するなか、シンガポール首脳会談における共同声明を履行するべきだ。双方はさらに一方的な要求を取り下げ、建設的な解決策を模索するべきだ。これは双方の利益に一致する」と述べた。


 金氏は米国がハノイ首脳会談で掲げた「完全に実情に合わない計画」を批判し、米国が考えを改めなければ朝米は100回、さらには1000回交渉しても成果を得ることはできないと述べた。「米国は現在の考え方を捨て、新たな考え方で朝鮮を見るべきだ。私とトランプ大統領の関係は依然として良好だ。米国は正しい態度を持ち朝鮮と共に解決策を見出すべきであり、そうして私は初めてトランプ氏と再び会談する興味を持つことができる」「私は年末まで米国の決定を忍耐強く待つが、前回のような理想的な機会は得難いだろう」


 2月のハノイ首脳会談が決裂後、金氏が朝鮮の「ポストハノイ」戦略について正式に表明したのはこれが初めてだ。金氏は米国がハノイ首脳会談で掲げた「大きな取引」を、朝鮮が受け入れることはないことを再び示した。金氏はトランプ氏が2020年に再任を目指すことを考え、意図的に交渉の期限を「2019年末」に設定した。


 トランプ氏はその後、直ちに反応した。トランプ氏はワシントン時間土曜日未明にツイッターで投稿し、金氏との関係は依然として「良好」であり、第3回首脳会談に開放的な態度を持つとした。「私は金氏の発言に同意する。私たちの個人的な関係は依然として良好であり、非常に良好と形容するのが最も適切かもしれない。第3回首脳会談の開催は良いだろう、私たちが互いの立場を十分に理解できるからだ。私は核兵器と制裁が同時に取り下げられる日が一日も早く来ることを心より願っている。それから私は朝鮮が、世界で最も成功した国の一つになることに期待する」


 トランプ氏が「さまざまな小さな取引」の意向を示しながらも、朝鮮が受け入れがたい「大きな取引」の原則を維持していることから、朝鮮が完全に非核化してから米国が制裁を解除することが分かる。これは米国が考え方を変え、「小さな取引」の受け入れを試みることへの朝鮮の期待とはかけ離れている。非核化のプランに対する双方の認識には大きく深い食い違いがあり、埋めることは難しい。首脳会談開催の可能性が消えぬなか、双方は相手側に譲歩の通牒を出した。


 ポンペオ国務長官とボルトン国家安全保障問題補佐官は現在も、トランプ氏の対朝鮮政策に広く強い影響を及ぼしている。彼らはCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)という主張を貫いており、制裁の譲歩を拒否し、執拗な態度を示している。これは米朝の非核化をめぐる交渉の前方に横たわる大きな障害だ。


 金氏とトランプ氏は第3回朝米首脳会談に開放的な態度を持っているが、いずれも条件を設け、会談の再開は相手次第としている。朝米は「我慢比べ」を展開し、シーソーゲームに陥り、ボールを相手側に蹴り合っている。非核化をめぐる交渉の膠着状態は、今後も一定期間続くとみられる。(筆者・李家成 遼寧大学北東アジア研究院研究員、察哈爾学会研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年4月18日

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