国際秩序は勝手な行動を受け入れない

国際秩序は勝手な行動を受け入れない。米国の現政権は、各国と付き合う際に「米国第一」が壁にぶつかり、覇権行為が頓挫しさえすれば、いずれも他国がルールに違反したのだと考える…

タグ:貿易 摩擦 安全 保障

発信時間:2019-05-23 15:58:58 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

  米国の現政権は、各国と付き合う際に「米国第一」が壁にぶつかり、覇権行為が頓挫しさえすれば、いずれも他国がルールに違反したのだと考える。過去1年余り、米側はほしいままに関税圧力を振りかざし、あちこちで貿易紛争を仕掛け、ルールに基づく多角的貿易体制にほしいままに打撃を与え、ルールと秩序を手中で弄ぶことで、国際社会最大の「トラブルメーカー」となった。(人民日報「鐘声」国際論評)

中米貿易紛争は、米側が世界貿易機関(WTO)の紛争解決制度を避けて、国内法に基づき国際貿易摩擦を仕掛けているのが本質だ。米国がWTOから権限を得ぬまま中国製品に対して大規模な追加関税を課しているのは、自国がコミットしたWTOルールを無視するものであり、一方的ルールを国際ルールの上に置く、わがままで勝手な行動だ。

世界貿易の舞台で大いに力を誇示する米国は、時には「米国に損をさせている」とWTOルールを非難し、時にはいわれなく他国に「ルールを遵守しない」とのレッテルを貼り、他国をWTOから「追放する」と脅しさえする。国際ルールについて、自らに都合が良ければ用い、都合が悪ければ捨てる。これは米側の一貫したやり方だ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)、国連人権理事会、万国郵便連合(UPU)などの国際組織から立て続けに脱退し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、パリ協定、「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」(国連移民協定)、イラン核合意、「外交関係に関するウィーン条約・紛争の義務的解決に関する選択議定書」などの国際条約から離脱し、北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定の再交渉を強要する。米国の一国主義的行為は国際ルールとグローバル・ガバナンスに対する重大な挑戦だ。英国のゴードン・ブラウン元首相は「米国は一極で世界を支配していた時代でも、しばしば国際機関を通じて行動していた。今や世界が日増しに多極化する中、米政府は逆に独断専行している」と嘆く。

米国は国際ルールの破壊に固執している。そのロジックの出発点は、強権的手段によって自国のみの利益を図ることだ。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のかつての「名言」は、こうした心理を余すところなく反映している。「もし私が今(国連)安保理を改めて設置するのなら、常任理事国は1つだけにする。そうしてこそ全世界のパワー分布を真に反映できるからだ」。自国は強権で対戦相手を屈服させて良いと考える。二国間の圧力を加えるのは多国間体制よりも「効率的」であり、関税圧力はルール制定よりも「効率的」だと米側は公言する。

米国は故意に強権でルールに挑戦し、ルールをゴム粘土のように恣意的にひきつぶそうと大それたことを企てる。だが、覇権の時代はすでに過去のものだ。現在、世界の事は各国で相談して決めるしかない。世界のパワー構造は急速に変化し、多極化という特徴が日増しに鮮明になっている。国を跨ぐ問題が日増しに増え、国際ルールシステムへのニーズが高まり続ける国際情勢の下、米国が一国主義思想に固執すれば、自国と他国にトラブルをもたらすだけだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年5月23

 

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