このほどある「中国企業」が、英国のF-35戦闘機の製造メーカーであることが発覚した。西側メディアは再び「中国のスパイによる恐慌」に陥った。英国防省とF-35の製造メーカーであるロッキード・マーティンは、これは驚くことではないと説明した。
ロシア・トゥデイの15日の報道によると、英国メディアはF-35の部品の製造を担当するサプライヤーが「中国企業」であることに気づいた。英国防省はこれはまったく懸念すべきことではないと強調した。中国の「スパイ」が到る所に存在すると大げさに誇張することは「馬鹿げている」というのだ。
英スカイ・ニューズによると、イングランド南部のグロスターシャーに位置する「Exception PCB」は2013年に中国・深センの企業に買収されたが、本件が隠蔽されたことはない。同社はさらに欧州の「タイフーン」戦闘機、「アパッチ」武装ヘリ、その他の敏感な武器プロジェクトに参与したことがある。現在は「史上最高額の武器プロジェクト」とされるF-35のエンジン、照明、燃料、ナビゲーションシステムの回路基板の生産を担当している。
英国防省は、同社は労働者の国防装備品サプライヤーであり、「リスクはない」との判断を維持している。ところが最近数カ月に渡り同社は「中国のスパイ」として批判を浴び続けており、英国メディアと政界関係者にショックを与えている。元英保守党国防大臣のジェラルド氏は、デイリー・テレグラフのインタビューに応じた際に、中国の機密防御計画への参与に注目していると述べた。「我々は中国の役割についてまったく知っておらず、人々は現在になりようやく目を覚まし始めた」「これは驚くべきことだ」保守党議員、軍予備役のボブ氏はインタビューで「これが問題でなければまずいのではないか。しかしこれが問題だとするならば、どれほどまずいのだろうか」と述べた。
Exception PCBの取締役はインタビューに応じた際に、同社は中国の所有者との間に「明確な防護壁」を設置していると述べた。同社は回路基板を生産するだけで、余計な電子情報を提供していないという。しかしロッキード・マーティンはそれほどはっきりした態度を示しておらず、スカイ・ニューズに対して「F-35のその他の部品と同様、これらの部品は製造の各段階で何度も検査を受ける。またException PCBは敏感なプログラム情報を目にすることもアクセスすることもできない」と述べた。ロッキード・マーティンの報道官は「Exception PCBが将来的にサプライチェーンから除外された場合、ゼネラルエレクトリックは同計画への影響を避けるためその他のサプライヤーを提供できる」と補った。
ロシア・トゥデイによると、中国企業がF-35の製造に参与していることを米軍が隠蔽したのはこれが初めてではない。米国防総省は予算超過に苦しめられる計画を期限通り推進するため、2014年に中国製の部品の使用を何度も認めていた。サプライヤーのノースロップ・グラマンとハニーウェルは、レーダーシステムと着陸装置に中国製の磁石を使用することを許可されていた。米国防総省がさらなる遅延により、同プロジェクトに資金を提供する海外からの受注が減少することを懸念したためだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月18日