最近、米国の一部の政治屋が度々新型コロナウイルスを中国と関連づけ、「中国ウイルス」と呼んですらいる。これは中国側から痛烈に批判されているだけでなく、米国内の有識者からも糾弾されている。(文・向洋)
米国人の一部でさえ、世界保健機関(WHO)の決めた正式名称を無視して、ウイルスを国家、民族または地域と結びつける名称はスティグマタイゼーションであり、中国系やアジア系の人々に対する米国内の人種差別を助長すると考えている。
米国が感染症について中国に汚名を着せるのは、実際には国内施政の努力不足の責任を中国になすりつけるものであることを、世界の人々は皆知っている。米政府は感染症対策に力を尽くしていないことで大いに非難されている。最も重視する株価は急落し、米株は異例なことに6取引日のうちに3回サーキットブレーカーが発動された。米政府は責任転嫁することで国内の批判をやわらげ、国民の視線をそらす必要が差し迫ってある。
今回の感染症が最初に中国で出現したのかどうか、発生源が中国なのかどうかについては、現時点で科学的結論は出ていない。
米疾病管理予防センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は先日、米国内の「インフルエンザ」による死者の一部が実際には新型コロナウイルスの感染による肺炎であった可能性が確かにあることを認めた。米国の今回の大規模なインフルエンザが、すでに昨年9月末には出現し始めていたことは注目に値する。
中国側はすでに外交ルートを通じて米側に「中国を中傷し、そのイメージを悪くするいかなる企ても思い通りになることはあり得ず、中国の利益を損なういかなる行為も必ず中国側の断固たる反撃に遭う」と厳正に告げた。
「中国ウイルス論」に反撃する闘争は、事実上国際的発言力を奪取する闘争だ。外交戦線で反撃を繰り広げるほか、我々の科学者がウイルスのトレース等の面で科学的、専門的意見を示すことができる。我々の報道関係者が報道を強化し、事態の真相と正しい見解を全世界に伝えることができる。
感染症の名称はひとたび定着すると、正すのは困難だ。中国側は米国が先頭を切って巻き起こしたこの悪い風潮に断固として反撃し、1918年の「スペインかぜ」のような歴史的過ちの再現を避けなければならない。「スペインかぜ」はすでに1世紀前の事だ。中国は歴史的過ちを繰り返すのを断じて許さない。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年3月19日