英国の中国人留学生4人がマスクをつけ食料を買いに出たところ、現地の若者から挑発され暴力を振るわれた。本件は直ちに注目を集めた。海外で人種差別にあった場合はどうすべきだろうか。在外公館及び華人弁護士は「ノー」と言うべきとしている。
中国人留学生が挑発を受ける
英サウサンプトン大学の学生寮「Vincent」付近で17日午後8時ごろ、中国人留学生4人がマスクをつけて夕食を購入し戻る途中、現地の若者数人から挑発された。この数人は彼らを尾行し、寮に押し入り破壊し、さらにそのうち1人の女子留学生ハンナさんを殴った。
ハンナさんは別の当事者であるジェイコブさんと、英国の中国語雑誌『華聞週刊』に本件の経緯を語った。
中国人留学生4人はその夜、マスクをつけて食料を買いに出かけた。寮に戻る途中、15、6歳ほどに見える現地の若者に遭遇した。うち1人の男が留学生にマスクを借りようとした。ジェイコブさんが余っているマスクはないと言うと、この男はわざとジェイコブさんに向かい咳をした。
この数人の若者はその後留学生を尾行し、侮辱を続けた。
ジェイコブさんは憤り、相手側に謝罪を求めた。相手側は謝罪しないばかりか増長し、留学生の後をつけ寮の玄関まで来た。うち1人が寮の掲示板を破壊し、フロントが騒然となった。
寮の中で、数人がハンナさんを壁の隅に追いやり暴力を振るった。一部の中国人留学生がこれを耳にし駆けつけた。双方に身体の接触が発生した。
最終的に警察が駆けつけ、騒動が沈静化した。
在英中国大使館:在英中国公民の安全及び合法的な権益の保障を英国に要求
在英中国大使館の報道官は24日、サウサンプトン大学で中国人留学生が暴力を振るわれた件について次の声明を発表した。
中国人留学生は今回、防疫の需要によりマスクをつけ外出したが、理由もなく殴られた。これは誠に腹立たしいことだ。在英中国大使館は英国政府及び警察に対して、国際的な義務及び自国の法律を守り、当事者を厳罰に処するよう求める。在英中国公民の安全及び合法的な権益をしっかり守るよう求める。
当事者の行為は「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」、及び英国の人種差別・ヘイト犯罪の関連法律に違反している。在英中国大使館は断固反対し、強く非難する。
また在英中国大使館は在英中国公民に対して、英国政府の防疫規定及び要求を遵守し、不要不急の外出を避けるよう求めた。外出の際には防護を徹底し、安全を確保するよう注意を促した。
新型コロナウイルスの感染が急激に拡大するなか、特に一部の国の政治家及びメディアは感染症を利用し中国に汚名を着せるようになってから、米国、英国、豪州などの国で中国公民及びアジア系住民を対象とする差別・挑発・人身攻撃が発生している。これは悪影響を生んでいる。
在メルボルン中国総領事館の報告によると、豪タスマニア大学の中国人留学生2人が19日、街頭で新型コロナウイルスに関する差別的な罵声を浴びた。うち1人は暴力を振るわれた。豪州の各地で感染症に関連した対中侮辱・ヘイト・排斥が発生している。
米NYタイムズは24日、ザ・ニューヨーカーのライターである樊嘉揚氏の例を挙げた。樊氏は先週ゴミ捨てに出た際に、中国人であることを理由に通りすがりの男から罵声を浴びた。
差別以外にも身体的な暴力がある。カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーで、16歳のアジア系男性が学校で、新型コロナウイルスに感染しているとして攻撃を受けた。脳震盪の疑いがあり救急室に搬送された。