小林正弘
清華大学法学博士
Genuineways.Inc ブランド保護顧問
3月26日、G20首脳テレビ会議にて中国の習近平国家主席は世界各国が連帯して、新型コロナウィルス感染拡大を阻止するために提案を行った。(関連リンク:新型肺炎対策 G20首脳会議で習近平国家主席が4つの提案)
この提案は、中国政府の経験と切迫した危機意識に裏打ちされたものであり、人類がウィルスとの戦いに打ち勝つために必要不可欠なものといえる。すなわち、中国国内においては、無数の尊き犠牲と甚大な経済的損失を払いながらも、政府の厳格な感染対策と医療関係者をはじめとする全ての人民の献身的な努力の結果、ウィルスの封じ込めに成功している。しかし、14億の人民の多くはウィルスに対する免疫を持っていない。海外からのウィルス流入等による感染再燃への厳重警戒は、パンデミックが収束するまで一瞬も緩めることはできない。他方で、日本を含む多数の国の指導者は中国のウィルス拡大の状況を知りながら、ウィルスの危険性を軽視し、感染初期段階における徹底した対策を怠った結果、国内でのウィルス蔓延を招いた。世界各国で感染が繰り返され、特に手を洗うための水さえも不足しているような発展途上国で感染が拡大すれば、その犠牲者数は現在、医療崩壊が起きている先進国の比ではない。また、その過程で、ウィルスが毒性の強いものに変異或いは治療薬に耐性を備えるようになれば、第二、第三のパンデミックが発生するリスクもある。
今、中国政府は、人類運命共同体の理念を掲げ、イタリアをはじめ感染が深刻な地域に医師団の派遣、医療物資援助を率先して展開している。ウィルスの感染拡大が加速する中、今回の提案に基づき、全世界のすべての指導者が、ウィルス対策について共通の認識とゴールを共有し、英知を結集して、WHOを中心に歩調の取れた感染対策を行う必要がある。それに加えて、国民に対しては、感染の現状と具体的な対策について、科学的根拠に基づき論理的な説明を丁寧に行うことにより、不安を取り除き国民一人一人が自発的に感染防止行動をとれるようにすることが急務である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月30日