中米間の貿易摩擦をめぐって中国国際テレビ局(CGTN)の女性キャスター劉欣氏と公開討論を行った米Foxビジネス・ネットワークの女性司会者トリッシュ・レーガン氏が離職しました。
「ニューヨークタイムズ」の報道によりますと、Foxビジネス・ネットワークは13日、レーガン氏の番組を一時的に取りやめ、27日には解約を発表したということです。
レーガン氏は今月の番組で、「民主党は新型肺炎の責任をトランプ大統領に押し付けようとしている。その目的は大統領を再び弾劾することにある」と語りましたが、この言論は直ちに猛烈な批判を浴びました。CNNビジネスチャンネルは、「Fox社は新型肺炎の問題でいかに視聴者を誤った方向へと導いたのか」という番組内で、キャスターらが感染症による影響を意図的に過小化し、ウイルスを利用して民主党を攻撃した証拠などを明らかにしました。
CGTNの女性キャスター劉欣氏はWeChatのモーメンツ上で彼女への失望を表し、「公開討論後、彼女の中国に対する態度に注目し続けているが、ますます敵意に満ちていることが分かった。さらに、『中国なしの世界』に憧れている節もある。あまりにも失望した結果、彼女とこれ以上の意思疎通を行う努力を諦めた」と述べました。また、彼女が解約されたことについて、遺憾の意を示すとともに、「今回のことで教訓を汲み取り、自我やイデオロギーに翻弄されないようになってほしい」との考えを表しました。
政党に傾くことは米国メディアの伝統です。Fox社は保守主義陣営の旗手として、「トランプ大統領の立場に協調を保つ」傾向にあると見られています。新型肺炎発生後、各キャスターはトランプ政権の政治的利益を守るため継続的に視聴者に「陰謀論」といった言論を吹聴していました。しかし、米国で確認された新型肺炎の感染者数が10万を突破したことを背景に、Fox社のキャスターらは相次いで論調を変えていましたが、レーガン氏だけは相変わらず「陰謀論」の大げさな宣伝に執着していました。これは米国民を欺く行為です。Fox社は世論及び広告主の圧力で止むを得ず、レーガン氏を解雇しました。
米国では、メディアが「第四権力」と標榜していますが、実際のところ、党派闘争や市場化運営の道具になってしまい、ただの政治的幻想に過ぎないのかもしれません。
「中国国際放送局日本語版」2020年3月29日