世界で新型コロナの感染が長期化 専門家は方針の調整を提案

世界で新型コロナの感染が長期化 専門家は方針の調整を提案。世界の新型コロナウイルス感染者は70万人を超え、202カ国・地域に感染が広がっている。感染対策は「持久戦」に変化しそうだが、状況の深刻な地域は何をすればよいだろうか…

タグ:コロナ 感染症 対策 検査

発信時間:2020-03-31 12:13:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 世界の新型コロナウイルス感染者は70万人を超え、202カ国・地域に感染が広がっている。感染対策は「持久戦」に変化しそうだが、状況の深刻な地域は何をすればよいだろうか。感染対策の「後半戦」に入った中国は何をすべきだろうか。


 欧米が震源地に 感染対策プランを調整


 「世界で心を一つにし感染対策」をテーマとする第2回新型コロナウイルス肺炎学際フォーラムが29日に開催された。復旦大学付属華山病院感染科科長の張文宏氏、中国工程院院士の李蘭娟氏、米マサチューセッツ大学医学部終身教授の盧山氏、独デュースブルク・エッセン大学医学部ウイルス研究所教授の陸蒙吉氏ら国内外の専門家が、各国の感染対策のプランについて交流した。


 世界保健機関(WHO)は3月中旬、欧州が新型コロナウイルス感染の震源地になると表明した。しかし最新データを見ると、震源地はすでに感染者が14万人以上に達した米国に移った可能性がある。そのため欧米諸国の感染対策プランが注目を集めている。


 陸氏は「ドイツには2つの方針がある。まず感染状況の変化に応じ慎重に行動し、次に持続可能性を確保する。少なくとも(ウイルスとの)2年の戦いを計画している」と述べた。盧氏は、「米国が先ほど行った封鎖プランは比較的成功したが、中国以外の地域からの輸入患者を見落とし、第2・3波を迎えることになった。また感度の高い検査方法を採用していることから、感染確定者が今後も増加を続ける」と述べた。


 長期的に世界衛生ガバナンスを研究している上海外国語大学国際関係・公共事業学院副研究員の湯蓓氏は、現時点ではドイツと米国が既定のモデルを形成したかについては判断し難いと述べた。湯氏は中国新聞社の記者に対して、「両国の感染対策プランは実際にますます苦しくなってきており、矛盾した点も認められる。例えばドイツはウイルス拡散防止と社会の経済運行の間のバランスを模索すると表明したが、2年を期限としている。感染症の他国及び世界への影響をいかに評価すべきか。さらに米国だが、ニューヨーク州と連邦政府は感染対策を巡る駆け引きを展開している。これは各州の感染対策が連邦政府との関係に左右される可能性を示している」と分析した。

 


 各国の方針 根本・本質は一つ


 張氏は「中国は最短期間内に感染状況をコントロールするという方針を取っているが、欧米諸国は比較的長い期間を想定している。感染拡大に伴い、欧州諸国の都市封鎖、集会の制限、マスク使用呼びかけといった手段は中国に近づいている」と指摘した。


 張氏は文章の中で「伝統的な隔離措置は感染の初期において、依然として最も効果的な手段の可能性がある。各国は初期に経済維持を中心とする措置を講じ、感染抑制の顕著な効果を手にできなかった後、徐々にこの伝統的な手段を受け入れ認めるようになった」と紹介した。


 湯氏は記者に「感染対策が比較的成功している中国、シンガポール、韓国、それからドイツや米国などの先進国による方針の根本・本質は一つだ。つまり治療側だけで感染状況に対応することはできないということだ。中国の感染対策の経験の一つは、早期発見・早期報告・早期隔離・早期治療だ。この原則は世界的に見ても正しい」と話した。


 今回の感染対策において、中国は速やかに仮設病院を建設しベッドの不足を補ったが、この手段は広く認められている。イタリア、イラン、英国、米国などがこれにならっている。盧氏は米国の各州が仮設病院の建設を開始していることに注意しており、軽症者を隔離し「感染者激増による医療現場のパンク」を回避することがより重要と強調した。


 感染対策の「先駆者」である中国の医療従事者は速やかに、世界の同業者と治療技術を共有した。李氏はフォーラムで、人工肝血液浄化による重症者の治療を紹介した。また記者の調べによると、中国の専門家は多くの技術交流会議において、回復者の血症療法の過程について詳細に説明している。

 


 終息を展望 政策の調整を強化


 中国本土での感染拡大はほぼ断ち切られたが、上述した専門家は世界の終息を展望した際に明確かつ楽観的な回答を示さなかった。張氏は今年10月以降に再びピークを迎える可能性があると予想した。


 感染対策の「後半戦」に入った中国は操業再開を加速しつつ、感染のぶり返しを防がなければならない。南開大学周恩来政府管理学院教授の常健氏は記者に、「感染症がいつ再来するか、感染規模がどの程度になるかは不明だが、リスク対応の資源は限られている。そのため政府部門は考え方を従来の問題解決からリスク管理に転じるべきだ」と述べ、各レベルの対応プランを作成し、人工呼吸器などの医療物資を備蓄するよう提案した。


 取材に応じた専門家は、各国の感染対策プランもその時の状況に応じて動的に調整すべきと述べた。例えば当初は「外は厳しく内は緩く」だったが域外輸入感染者が徐々に増加したシンガポールは、入国規制や学校の休校といった思い切った措置によりウイルス感染経路を遮断している。


 湯氏は「今回の感染がいつ終わるかは、最も脆弱な部分によって左右される。公衆衛生システムが脆弱な国で終息すれば、すべての国が戦場から退くことができる」と指摘した。


 湯氏によると、WHOは公衆衛生の条件が整っていない地域向けに、医療従事者オンライン訓練を緊急展開している。また世界的な感染対策技術の交流を行っている。しかし各国間の政策の調整はまだ初歩的な段階に留まっており、感染症の「殲滅戦」が「持久戦」に長引く可能性がある。そのため国際レベルで政策の調整を強化する必要がある。WHOも衛生資源の公平な分配で力を発揮するべきだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月31日

 

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