CNNサイトが2日付で伝えたところによると、米空母「セオドア・ルーズベルト」の艦長が乗組員を下船させて隔離するよう海軍幹部に要求したことを受け、一部の乗組員がグアムのホテルで隔離されるとになった。
モドリー米海軍長官代行は1日、セオドア・ルーズベルトの乗組員4800人のうち、これまでに1273人が新型ウイルスの検査を受けており、一部については依然として検査結果を待っている状況だと説明した。モドリー氏によると、すでに約1000人の水兵を船から退避させ、グアムの陸上に移送した。数日中に2700人を下船させる予定だという。
ある米国防省高官は、さらに検査結果が出れば、感染者の数もさらに増えるだろうとCNNに明かした。米Foxニュースによると、同空母の感染者はすでに200人を超えているという。
マイケル・ギルデイ米海軍作戦部長は、原子炉の運用・維持など重要な任務については継続する必要があり、全乗組員を退避させるわけにはいかないと指摘した。さらに、約1000人の乗組員が空母に留まらなければならないとし、「この艦船には兵器や弾薬、高価な戦闘機、原子炉が搭載されている。一定数の乗組員は船の安全維持に当たる必要がある」と強調した。
グアム準州知事のローデス・A. レオンゲレロ氏は1日の記者会見で、「乗組員の検査結果が陰性で14日間の隔離観察が必要な場合、グアムの空いているホテルへの乗組員の宿泊を許可する」とし、「要請に基づいて引き続き乗組員への通常の医療検査を行う」と補足した。
ところが、現在の居住条件ではさらに多くの水兵がウイルスに感染する可能性があることが同空母の水兵へのCNNの取材で明らかになった。この水兵はグアムの臨時宿舎に移送された。体育館を臨時に改造した施設に先週土曜から他の150人以上の水兵と共に生活しているという。「そこでは咳き込んだり、熱がある人もいて、その後の検査で陽性だった。何ら症状がなかった乗組員も検査で陽性だった」。
この水兵によると、この体育館内には「社交の距離」を維持する十分な空間がなく、消毒をする適切な道具も揃っていないという。「いまの状況だともっと多くの感染者が出る。感染するかどうかの問題ではなく、いつ感染するかの問題だ」と彼は話す。
CNNが3月31日伝えたところによると、セオドア・ルーズベルトのクロジャー艦長は乗組員の命を守るためには決然たる行動が必要だと海軍幹部に警告した。クロジャー艦長は「我々は戦争状態になく、水兵らは死ぬ必要がない。直ちに行動を起こさなくては、我が軍の最も信頼のおける資源を適切に保護することができなくなる。その資源とはすなわち水兵らである」と訴えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月3日