新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっている。イタリアなどと比べると中国の死亡率は低いが、中医薬(漢方薬)が感染対策の功労者とされている。感染対策に取り組んだ専門家は、中医薬の治療により死亡率を下げ、患者の症状を軽減し、軽・中度患者の重症化を減らすことが出来ると述べた。中医薬が国内で手にした治療成果は世界の学術界から重視され、海外に進出している。香港『亜州週刊』が伝えた。
国家中医薬管理局専門家チームの責任者によると、10省の計1261人が「清肺排毒湯」を服用し、うち1002人が治癒した。40人の重症者のうち28人が退院し、10人が好転した。有効率は97%。中医薬のもう一つの大きなメリットは、治療コストが低いことだ。専門家によると、患者1人の中医薬の費用は1日あたり100−200元だが、人工呼吸器などを使うと少なくとも5桁になる。
中国の感染症の治療の歴史は、東漢末期まで遡ることができる。中国工程院院士の張伯礼氏は、中医薬が今回の感染拡大を抑制したと判断した。2月上旬に4種の人員(感染確定者、疑い患者、感染の可能性を否定できない発熱患者、感染確定者との濃厚接触者)のうち、新型コロナウイルスの感染が確定した割合は80%で、中医薬の服用から十数日後の2月中旬には30%に低下し、2月末には1桁まで低下した。張氏によると、仮設病院における中医薬を中心とする総合治療により、張氏が所属した仮設病院の患者564人のうち1人も重症化しなかった。
新型コロナウイルスとSARSの感染においても、中医薬は急台頭した。患者の治癒、後遺症の減少などの面で大きな貢献を成し遂げた。亜州週刊は2005年に、中医薬のSARS治療効果が顕著と報じていた。中国薬は当時の経験を継承し、新型コロナウイルスに対して大きな効果を発揮している。
しかし中国医学が真の国際化を実現するためには、まだ数多くの問題が残されている。自身の規範化の問題があれば、中国医学の理論を(現代の)科学基準と結びつけにくいといった問題もある。中国医学と西洋医学の哲学がまったく異なるため、中国医学の理論の広がりは中華文化圏内に留まり、文化を跨ぐ対話が困難になっている。感染症の著名専門家である鐘南山氏は何度も、中国医学は根拠に基づいた医療に向け発展しなければならないと指摘している。新型コロナウイルスの感染が広がるなか、中国はハードパワーを示し、セルビアなどの国に力強い援助を行った。うち連花清瘟カプセルが注目を浴びており、中国は海外に十数万箱寄贈した。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの羅維前教授は「アーテミシニンのエピソードは広く知られている。正確な研究を行い、より多くの生薬と処方を試すことができれば、(中国医学は)感染症の治療に用いられるようになるだろう」と述べた。
新型コロナウイルスの感染源がどこであろうとも、それは全人類の災いだ。中国医学は感染対策で大きな効果を発揮している。さまざまな主張があるが、伝統的な中華の知恵を検証する機会が訪れた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月11日