感染対策にはワクチンが必要=鐘南山氏

感染対策にはワクチンが必要=鐘南山氏。「医師は病気ではなく患者を診る」4月4日に独占インタビューに応じた鐘氏は、人の心を打つ言葉により医者の仁愛と、84歳の高齢者の命への体得を示した…

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発信時間:2020-04-11 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 清明節による3連休中、鐘南山氏(84)は広州医科大学越秀キャンパスの事務室内で働いていた。


 中国工程院院士の鐘氏は1936年、南京市に生まれる。1960年に北京医学院(現在の北京大学医学部)を卒業し、改革開放後の第1陣の公費派遣留学生になった。17年前のSARS感染期間中、当時67歳だった鐘氏はここを死守していた。それから17年後に新型コロナウイルスが発生したが、84歳の鐘氏は依然として鉄の戦士のように戦いの最前線に立っている。


 「医師は病気ではなく患者を診る」4月4日に独占インタビューに応じた鐘氏は、人の心を打つ言葉により医者の仁愛と、84歳の高齢者の命への体得を示した。


 進展 「過去の状況を見ると、感染対策にはワクチンが必要」


 問:この科学とウイルスのレースにおいて、あなたのチームは新型コロナウイルスの科学治療及び薬品検証でどのような進展を手にしましたか。


 鐘氏:我々はクロロキニーネと連花清瘟カプセルの臨床試験を行った。現在の分析結果によると、どちらにも前向きな効果がある。クロロキニーネは病気の経過を短縮し、ウイルスの負荷を弱める。連花清瘟カプセルは症状緩和の時間を大幅に短縮する。


 新型コロナとSARSを比べると、肺線維化といった共通する特徴の他に、小気道内の粘液が非常に多く空気の通りを妨げ、二次感染を引き起こしやすいという際立った特徴がある。これまで患者の水素・酸素混合ガス治療の状況を観察してきたが、これが息切れを大幅に改善し、呼吸困難患者の使用に適している可能性があることが初歩的に分かった。


 問:治療手段の他に、新型コロナワクチンの研究開発が注目されています。ワクチンが今回これほど注目されているのはなぜでしょうか。


 鐘氏:ワクチン開発は必要なことだ。新型コロナの感染力はSARSよりも強く、感染係数は3.5にのぼる。つまり1人から3.5人に感染するということだが、SARSはせいぜい1人から2人だ。そのため一部の国では毎日、感染者が1万人以上にのぼっている。過去の状況を見ると、感染対策にはワクチンが必要だ。


 典型的な例の一つは天然痘、もう一つは小児麻痺だ。これらは感染力が非常に強く、死亡率は20−30%に達し、かつ後遺症が多い。私が幼いころ、周囲の多くの人の顔に痘跡があった。これは天然痘の後遺症だ。現在はまったく見られなくなったが、これはワクチンのおかげだ。新型コロナワクチンの開発は非常に切実な問題で、推進に取り組まなければならない。


 科学研究 「基礎科学研究は臨床実践をサポートしなければならない」


 問:あなたは医師であり難関突破のチームを率いる院士でもありますが、あなたのチームは今回の新型コロナウイルスの科学研究でどのような研究を展開しましたか。


 鐘氏:臨床治療は常に感染対策の極めて重要な位置を占めなければならず、基礎科学研究は臨床実践をサポートしなければならない。例えば感染流行後、我々は直ちに1099人の臨床特徴をまとめ、NEJM誌に掲載した。全国範囲で1000人以上のデータがまとめられたのはこれが初めてで、今回の感染状況において全世界が最も多く引用している論文となっている。研究によると、患者の半数が入院時に発熱しないため、発熱を唯一の症状とするのは不適切だ。その他に一部の患者は実験室での指標が特に高く、すぐに重症化する。これらの基礎科学研究は世界の治療において高い指導力を発揮した。これは現在、海外の同業者とWeb会議を開く際に注目されることでもある。


 問:海外専門家とのWeb会議において、どのような基礎科学研究成果を共有しましたか。


 鐘氏:海外の同業者とのWeb会議において、我々は主に「4つの早期」、共同感染対策などの理念を出発点とし、重篤患者管理の要点、新しい実験室検査技術、新たな治療手段などを共有した。我々は米ハーバード大学と協力することで初歩的に合意した。双方は新型コロナの疫学調査、実験室検査、臨床治療などの幅広い協力を展開する。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月11日


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