「我々は指針(ガイドライン)を発表し、各州について言及することになる。これは非常に喜ばしいことだ」米国のトランプ大統領は現地時間15日午後にホワイトハウスで開かれた記者会見にて、「ピークは過ぎた」と表明し、16日は民間経済再開の指針を宣言する「ビッグな日」になると述べた。トランプ氏は状況の進展について「非常に喜ばしい」と楽観的に述べたが、その後発表された感染データは再び警鐘を鳴らした。同日の米国の死者は2500人以上で、再び過去最多を記録した。死者は累計で3万人を突破。米国メディアは、ホワイトハウスが「再開」をこれほど大々的にアピールするのは信頼できるデータがあるからではなく、大統領選に向けた政治的動機によるものと疑問視した。
「経済再開の芝居は実情を隠す」ホワイトハウスが指針の統一的な発表を急いでいることについて、CNNは次のように分析した。トランプ氏は「米国再開」のキャンペーンにより、自分では勝利を祝い、生死に関わる決定権を他人に委ねるという結果を手にしようとしている。各州に経済再開の権限を与えるのは憲法的には余計なことだ。これは大統領選挙イヤーの政治的手段で、トランプ氏を経済復興の指導者として描くことが目的だ。トランプ氏は自ら創り出したより有利な政治的環境にいることができるが、米国の州知事、市長、医師は現実の中で生活しなければならない。トランプ氏は各州の経済再開の指針を示すことで、自身の最終決定責任から逃れ、経済停滞の責任を他人に押し付けることができる。ある州が早めに再開したことで感染のピークが発生した場合も、他人のせいにできる。これはトランプ氏が感染が発生した当初、新型コロナは米国にとって大きな問題ではなく、かつコントロールされつつあると述べたことを想起させる。この予言は壊滅的な間違いだったことが証明された。
ホワイトハウスにもプレッシャーがある。「感染対策失敗」という世論からの普遍的な批判のほか、経済停滞による影響も目下拡大している。特に11月の大統領選まで残すところ6カ月余りとなるなか、状況に好転が生じなければトランプ氏の再任はより困難になる。「米国経済は急激に萎縮する」ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米連邦準備制度理事会(FRB)は水曜日、新型コロナウイルスの感染対策により各地の企業が営業を停止し、人員を削減したため、米国経済は過去数週間に渡り深刻な後退に陥ったと表明した。FRBの報告書によると、4月4日までの3週間で、米国の1700万人が失業した。報告書は「今後数カ月でさらに多くの人員削減が生じる」と警告した。
ロイター通信は15日に発表された公式データを引用し、米国の小売業販売額が3月に8.7%減となり、1992年に統計が始まってから最大の下げ幅になったと伝えた。消費者支出は米国の経済活動の3分の2以上を占めている。また米国の生産は、1946年以降で最大の下げ幅を記録した。ロサンゼルス・ロヨラメリーマウント大学の教授は、「経済はほぼ自由落下の状態になっている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月17日