第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議は大会議事日程に基づき、全人代常務委員会の「香港特別行政区が国家安全を守るための法律制度と執行メカニズムの確立・健全化に関する全人代の決定草案」の審議要請に関する議案を審議する。全人代は憲法及び香港基本法に基づき、香港が国家安全を守るための立法活動を国レベルで推進する。これは行使すべき権力、果たすべき責任だ。特に香港特別行政区の国家安全が現在、現実的な脅威と深刻な損害を受ける中で、その必要性と切実性が際立っている。これは避けられない流れであり、一刻の猶予も許されない。
周知の通り、国家安全は国が生存・発展するための基本的な前提で、国の核心的利益、国民の根本的な利益と関わる。現在世界のどの国であっても、国家安全の立法は国の立法の権力であり、中央の職権だ。中央政府は所属の地方行政地域の国家安全に対して最大かつ最終の責任を持ち、すべての必要な権力を持ちこれを行使する。これは基本的な国家主権の理論と原則であり、世界各国の通例でもある。全人代は最高国家権力機関、国家主権の代表だ。全人代及びその常務委員会には、香港特別行政区の実情及び需要に基づき国家安全を守る憲制の責任を果たし、関連法律制度及び執行メカニズムを構築する権力と責任がある。これは国に対する責任であり、かつ香港同胞を含む中国人全体への責任でもある。疑う余地のない正当性と合法性がある。
香港の実情は周知の通りだ。昨年発生した条例改正に伴う動乱は社会の秩序を大きく破壊し、法治の礎を侵食した。また香港の国家安全を守る面に存在する大きなリスクを露呈した。より掘り下げて観察すると、動乱の裏側には香港内外の敵対勢力による結託がある。香港が中華民族の偉大なる復興の歩みを阻む外部勢力の「切り札」になっており、大陸部に壊滅的な破壊・転覆活動を仕掛ける橋頭堡、「色の革命」を実施する突破口になっていることは、事実によってすでに証明されている。内外の敵対勢力の活動はすでに中国の国家安全の現実的な危害に、中国の国家主権及び領土保全の現実的な脅威になっている。高度に重視・警戒し、大胆に力強い対抗措置を講じることを余儀なくされている。
条例改正に伴う動乱は、香港特別行政区の国家安全を守る面における、顕著な法律の不備及び執行メカニズムの不在を浮き彫りにした。香港の現行法の国家安全を損ねる犯罪の処罰に関する規定は、さまざまな原因により長期的に「スリープ」の状態にあり、効果的な執行が難しくなっている。香港特別行政区が国家安全を守るための機関の設置、力の配分、法執行の権力の配置などにも顕著な「弱点」が存在する。これらの状況により香港は国家安全を守る面で「無防備」な状態になっている。国家安全を損ねる行為に効果的に抑止力を発揮し、防備し、制止し、処罰することができない。
同時に反対派は意図的に国家安全を守ることと市民の権利・自由の保障を対立させ、汚名を着せイメージを落とすことで基本法第23条の立法活動を再三阻害し遅らせている。香港特別行政区が直面している国家安全情勢、及び遅々として進まない国家安全関連の立法の状況を鑑み、全人代は憲法から授かった権力に基づき、国レベルで香港特別行政区が国家安全を守るための法律制度及び執行メカニズムを確立・健全化し、憲法及び基本法の実施と関連する制度・メカニズムを改善することを決定した。香港の国家安全を守る面の際立った問題を力強く解消し、香港特別行政区が国家安全を守る制度の防壁をしっかり構築する。
国レベルで香港特別行政区が国家安全を守るための法律制度及び執行メカニズムを確立・健全化することには、極めて高い現実性がある。これはまた「一国二制度」の安定した長期発展を保証する根本的な措置でもある。国家安全リスクをより効果的に予防・抑制し、香港の長期繁栄・安定を維持し、香港の最も多くの市民の合法的な権利と自由を守り、香港特別行政区の法に基づく高度な自治権をより良く保障し、香港の法治環境及びビジネス環境を維持する上で有利だ。これは一国二制度の実践における重大な意義を持つ大きな事柄であり、積極的かつ深い影響を生むことだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月22日