ドゥジャリク国連事務総長報道官は7日、米政府がグテーレス国連事務総長に対して、来年7月に世界保健機関(WHO)から脱退する通知を出したと述べた。グテーレス氏はWHOに対して、米国が脱退のすべての条件を満たしているかを確認中だという。
本当に口にするだけで簡単に脱退できてしまうのか?
米国が当時WHOに加入した際に設定された関連条件によると、米国がWHOを脱退するためには1年前にWHOに申請を出し、かつWHOに対する関連財政義務を完全に履行しなければならない。
ところが米政府は拠出金の支払いを渋っている。WHOのデータによると、今年2月29日現在、米国の2019年度の拠出金はまだ大半が支払われておらず、2020年は1億2000万ドル以上の拠出金がびた一文も支払われていない。
脱退後の資金不足はどう補うか?
トランプ米大統領が今年4月に拠出停止の脅迫を出すと、WHOはWHO財団の設立を宣言した。人々、主な個人の寄付者、企業パートナーによる、WHO及び信頼できる協力パートナーへの寄付を促進する。WHOへの寄付者の規模を拡大し、より持続可能で予測可能な資金供給の実現を目指すという。
各界は米国の脱退をどう評価するか?
国連財団のElizabeth Cousens会長は、「米政府のこの措置は目先のことしか考えておらず非常に危険だ。WHOは世界の新型コロナウイルス感染対策を指導し協調を図れる唯一の組織だ。米国とWHOの関係終了により、世界の感染対策の努力が損なわれ、すべての人が危険に陥る」と述べた。
米国医師会、米国小児科学会、米国家庭医学会議が共同声明を発表し、米政府のWHO脱退は米国を「深刻な危険」に陥らせ、かつ「この危険な脱退は国際社会のコロナ対策の努力に影響を及ぼすほか、その他の主要公衆衛生の脅威に対応する努力を損ねた」と批判した。
国際的に有名な医学誌「ランセット」のリチャード・ホートン編集長はSNSで、米国のWHO脱退の正式決定は「全世界の人々への暴行だ」とコメントした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月9日