7月25日、深セン市前海湾(王美燕/人民図片)
時間を発展における可能性とするならば、時間の節目はつまり新たな可能性を開拓し発展させるためのステップといえるだろう。「深セン経済特区設置40周年祝賀大会」で、習近平総書記は新たな時代において中共中央が深センに与える歴史的使命を厳かに宣言した。「中国の特色ある社会主義の先行モデル地区をしっかりと建設し、社会主義現代化強国の都市の模範ケースを創出し、新発展理念を貫徹実行する能力と水準を高め、改革の全面的深化、開放の全面的拡大の新構造を形成し、『粤港澳大湾区』(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)の建設を推進し、『一国二制度』事業発展の新たな実践を豊かなものにし、他に先駆けて社会主義現代化を実現する」。「軽舟已に過ぐ万重の山」の深センは、さらに高い起点における改革開放の推進という新たな道のりを歩み始めた。(文:李斌。人民日報掲載)
時間には常にとても貴重な価値がある。深セン特区新設時、「時は金なり、効率は命なり」という巨大なスローガンが蛇口工業区の最も目立つ場所に掲げられた。思想の束縛を打破し、強い感化力を持つこの改革のスローガンは、人々の発展への意識と時間の観念を極めて大きく変えた。域内総生産(GRP)は1980年の2億7000万元(1元は約15.7円)から2019年には2兆7000億元にまで増加し、対外貿易総額は1980年の1800万ドル(1ドルは約105.3円)から2019年には4315億ドルにまではね上がり、2019年の住民の1人あたり可処分所得は6万2500元と、1985年の31.6倍になった。わずか40年で、深センは外国の国際都市が百年かかった道のりを歩み、世界に中国の改革開放の「時間効率性の高さ」を感じさせ、中国の特色ある社会主義の明るい展望を示した。
「時間こそが最大の革新者だ」と形容する人がいる。ほかの観点から見ると、改革は時間の「親密な友」であり、尽きることなく次々と現れる変革と革新によって、時間は有意義で、効率的で、収穫のあるものとなる。習総書記は、「深センは改革開放後に中国共産党と人民が手を携えて築き上げた全く新たな都市であり、何も無い白紙の状態から中国の特色ある社会主義を見事に描き上げた」と指摘した。最も早く輸出加工区を興し、他に先駆けて市場志向型経済体制改革を行い、今や中国の特色ある社会主義先行モデル地区の建設を打ち出すにいたった。果敢に道を切り開いて実行し、他に先んじ、一心不乱に事に当たる深センは、あたかも改革開放の大潮における一艘の水先案内船のように、絶えず波濤を越えて進み、新局面を切り開いてきた。深セン蛇口改革開放博物館で来館者に一番人気なのが、博物館内で「中国初」の事物を探すことだ。過去40年で、深セン特区は中国初の土地オークション、中国初の株式発行、中国初の国家革新型都市創建試行地となるなど、1000以上の「中国初」を創造してきた。ほぼ毎年、毎月、毎日のように古いものを捨てて新しいものを取り入れ、生み出す深センには、無駄にする時間はなく、中国共産党と人々の寄せる大きな期待を裏切ることはない。
8月25日、高層ビルの林立する深セン中心部(李振岐/人民図片)
マルクスは「時間と機会の利用以上に我々の事業の隆盛を促進できるものはない」と語った。40年余りの改革開放の歩みを振り返ると、「我々は時代に追いつく必要がある。これは改革により達成しようとしている目的だ」という偉大な志は、今やすでに社会主義中国が世界の東方に巍然として屹立するという素晴らしく美しい情景へと変わった。まさに改革開放という偉大な覚醒があったがゆえに、中国の特色ある社会主義の道は歩むほどに広がっていった。そしてまさに改革開放を発展と進歩の活力源としたがゆえに、中国は「時代に追いつく」から「時代をリードする」への偉大な飛躍を実現したのだ。とりわけ第18回党大会以降、習近平氏を核心とする中共中央は改革の全面的深化、改革の系統的設計と全体的推進という新時代を切り開き、中国共産党と国家の事業が歴史的成果を挙げ、歴史的変革を生む後押しをしてきた。新時代の中国の大地において、力強い改革の責任感、全面的・系統的な改革計画、発憤興起する改革の気概が、阻むことのできない夢の実現力を結集させている。「改革は永遠に途上にある」。これは中国人が時間と未来に向けて行う最も意気高らかな表明だ。
時間は絶えず前へと進んでいく。新たな情勢は新たな責任を引き受けることを必要とし、新たな道のりには新たな行動が求められる。「中華民族の偉大な復興は必ずや改革開放の過程において実現される」。我々一人一人がその貢献者、目撃者となっていくだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年10月16日