韓国は正式に初となる軽空母の設計案の一部を公開した。直通甲板とダブル艦橋を採用し、英空母「クイーン・エリザベス」の小型版のようだ。将来的にこの空母を軸とする韓国海軍機動艦隊がオマーン湾などの遠洋で韓国の海上利益を保護する。3日付韓国紙「中央日報」が伝えた。
韓国の軽空母は米国製の短距離離陸・垂直着陸艦載戦闘機「F-35B」を搭載する見通しであり、そのためカタパルトを設置する必要がなく、クイーン・エリザベスと同様のレイアウトを採用する。韓国の軽空母はさらにダブル艦橋を採用し、うち1つは航海に、もう1つは航空管制に用いる。韓国軍の関係者によると、1つの艦橋でも航海及び空戦を遂行できるが、戦争中に1つが破壊された際にもう1つで指揮力を発揮できることが考慮されたという。また韓国の軽空母にはウェルドックがなく、上陸作戦に用いる武器装備を搭載する必要がない。韓国海軍の関係者によると、韓国軍はすでに大型揚陸艦の「独島号」と「馬羅島号」を持つため、軽空母に上陸作戦の機能を持たせる必要がなく、艦載機により多くのスペースを割ける。
空の脅威に対応するため、空母は通常、早期警戒機を搭載することで、敵機もしくはミサイルの攻撃を早めに探知する必要がある。米国とフランスの空母は固定翼の早期警戒機を搭載しており、英国の空母は早期警戒ヘリを使用している。しかし韓国の軽空母にこれらの装備はなく、駆逐艦を前方に置くことで限定的な早期警戒を行うか、軍機を随時発艦させ空中警戒を維持するしかない。
計画によると、韓国海軍は今年上半期に軽空母建造関連の論証を展開し、2022年より設計を開始し、2026年に正式に建造し、2033年に配備する予定だ。軽空母の全体設計に必要なことから、韓国海軍は米国からF-35B(20機)の調達を急ぐよう求めている。しかし米ロッキード・マーティン社は安全を理由とし、韓国に事前に関連データを提供することを拒否している。
韓国海軍は軽空母を中心とし機動艦隊を作り、オマーン湾などの遠洋で韓国の利益を守ることを計画している。将来的に韓国の空母打撃群は済州海軍基地に駐留し、「世宗大王級」イージス艦、「忠武公李舜臣級」駆逐艦、「島山安昌浩級」潜水艦に守られる。さらにF-35B、AW159ヘリ、自動海上哨戒機、無人ヘリなどを搭載する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月4日