英国で新型コロナウイルスの変異種が発生し、世界保健機関(WHO)が英国を発生地とすると、多くの主流メディアも関連言論を引用した。ところが英国の右翼政党「イギリス独立党 (UKIP)」の党員、元欧州議会議員のロジャー・ヘルマー氏は居ても立っても居られなくなった。
ヘルマー氏は28日にツイッターで、変異種について「英国が発生源」と呼ぶのではなく、「英国で見つかった」と呼ぶよう求めた。しかしこのツイートは大炎上した。多くのネットユーザーが返信の中で、ヘルマー氏がかつて新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と中傷した投稿をさらし、「非常に模範的なダブルスタンダードだ」と批判した。
ヘルマー氏はイギリス独立党の党員で、政治的に保守的な立場だ。英国の国民健康保険(NHS)を批判し、EUの気候政策を否定している。ヘルマー氏は過去1年に渡り新型コロナウイルスを何度も「中国ウイルス」と中傷し、トランプ氏の関連動画をリツイートしていた。
多くのネットユーザーがこのツイートに返信し、以前の投稿内容をさらした。
このような発言は、ヘルマー氏の変異種に関するコメントと目障りなコントラストを成している。多くのネットユーザーがヘルマー氏のツイートを皮肉っている。
あるネットユーザーはヘルマー氏の「中国が発生源であれば中国ウイルス」というツイートを発見し、「これはあなた?」と返信した。この返信は2588件の「いいね」を集め、すべての返信の中で最も多かった。
多くのネットユーザーがヘルマー氏のダブルスタンダードを指摘している。「これ(新型コロナウイルス)を中国ウイルスと呼ぶならば、なぜそれを英国ウイルスと呼ばないのか」
英国で発生した変異種の名称は「VUI-202012/01」。英国のボリス・ジョンソン首相はウイルスの感染力が70%上がったと述べた。マット・ハンコック保健相は、英国南東部で感染者が激増した原因はこの変異種であると述べた。パトリック・ヴァランス英政府首席科学顧問は、この新たな変異種は9月中旬に英国で発生したとみられると述べた。12月のロンドンの6割以上の感染はこのウイルスによるものだった。
しかしケンブリッジ大学のシャロン・ピーコック教授(公衆衛生・微生物学)は、科学者はこの変異種がイングランド南東部のものなのか、別の場所から現地に入ったかを明らかにしていないと述べた。
ハンコック氏は現地時間23日、南アフリカで見つかった変異種の方が「感染力が強い」と述べた。しかしその翌日、南アフリカのズウェリ・ムキゼ保健相はこれに反論し、ハンコック氏の発言には「根拠がない」と批判し、さらに「南アフリカの変異種が英国の第2波の主因」という観点を作ったと批判した。
独紙「ディ・ヴェルト」の現地時間28日の報道によると、独ハノーファー医科大学(MHH)の研究により、同校が新型コロナウイルスに感染し亡くなった患者の検体から「B117」変異種、すなわち英国で発見された変異種を検出していたことが分かった。これはこのウイルスが11月にドイツに存在していた可能性を意味する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月31日