生態環境保護や気候変動対策から経済回復への道の模索まで、2021年には様々なテーマで重要な国際会議が続々と開催される。これらの重要国際会議にはどんな注目点があるのだろうか?新華社が伝えた。
■「生物多様性条約」締約国会議 ガバナンスの新たな枠組みを話し合う
当初2020年に昆明で開催が予定されていた「生物多様性条約」第15回締約国会議(CBD-COP15)は、新型コロナウイルス感染症による影響で2021年5月に延期された。テーマは「エコ文明:地球生命共同体を共に構築」だ。
「生物多様性条約」は1992年6月に調印され、締約国は現在196か国に上る。国連の地球生物資源の分野において最も影響力ある国際条約の1つだ。昆明で開催される締約国会議は「2020年以降のグローバルな生物多様性枠組み」を話し合い、グローバルな生物多様性についての2030年までの新たな目標を定め、「人と自然の調和ある共生」という素晴らしいビジョンの達成に努力する。
「大自然はすでに我々に警鐘を鳴らしている」。エリザベス・ムレマ「生物多様性条約」事務局長は、今回の新型コロナ感染症によって国際協力の重要性がはっきりと示されたと指摘し、「新型コロナの感染拡大を単独で断ち切ることのできる国はない。同様に、生物多様性の危機に単独で対処できる国もなく、我々は共に努力する必要がある」とした。
■ダボス会議 感染症収束後における「グレート・リセット」を議論
新型コロナ感染症による影響で、第51回世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)は5月にシンガポールで開催することに変更された。
会議のテーマは「グレート・リセット」。各国の政府、企業、市民社会など各方面のリーダーがポストコロナ時代の世界経済の回復について議論し、世界にとって最も差し迫った試練への対処に必要な解決策を探る。
WEF設立者のクラウス・シュワブ会長は、「現在我々は過去のどの時期にも増して、官民が協力し、信頼を回復し、2020年から生じ始めた社会的分断という問題を解決することを必要としている」と語る。
■G20サミット 「人、星、繁栄」に焦点を合わせる
第16回G20サミットが2021年10月30、31両日にイタリア・ローマで開催される。イタリアは「人、星、繁栄」をサミットのキーワードに定めた。
G20の輪番議長国であるイタリアは、「会議では、衛生・環境保護分野の協力を強化し、人類と我々の星をより良く守る方策及びデジタル革命のもたらすチャンスをしっかりと捉え、『デジタルデバイド』の解消に努め、力強く、あまねく広がる、持続可能な経済回復を実現する方策を重点的に議論する」とする。
■国連気候変動枠組み条約締約国会議 溝を解消し、共通認識の形成を図る
当初2020年11月に英グラスゴーで開催が予定されていた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、新型コロナ感染症による影響で2021年11月に延期された。
2019年12月にスペイン・マドリードで開催されたCOP25では、中心的議題であるパリ協定第6条の実施指針について合意に至らなかったため、COP26での交渉で成果を得られるかどうかが大いに注目される。
また、排出削減の責任や資金の問題をめぐる先進国と発展途上国との間の溝の解消、各国のグリーン産業投資の大幅な伸びの維持、世界気候ガバナンス体制の構築も重要な注目点となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年1月12日