制御不能の感染拡大がもたらした悲劇
米国は人口では世界全体の5%足らずだが、現在までに新型コロナウイルスの感染者数では世界全体の25%を超えている。死者数では世界全体の20%近くを占め、55万人以上の米国人が貴い命を失った。
当時トランプ政権で新型コロナウイルス対策チームの調整官を務めたデボラ・バークス氏は、CNNが先日放送したドキュメンタリーで、「連邦政府は人々に矛盾した情報を伝えた。これは米国が新型コロナ対策の過程で犯した最大の過ちだ」と直言した。
同ドキュメンタリーで、トランプ政権の新型コロナウイルス対策チームの重要メンバーだった米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「封鎖解除を呼びかけるなど大統領のSNS上の発言は驚きであり、新型コロナ感染症との闘いにおいて大きな打撃となった」と述べた。
横暴に振る舞い、ルールを破壊
強引に世界保健機関(WHO)から脱退し、パリ協定から離脱する。いじめのような行為で国際機関を脅し、乱暴に一方的制裁を推し進める。庇護を求める者を残酷に扱い、新型コロナ感染症拡大期間中も移民を強制送還し続け、他国の民間人を虐殺した戦争犯罪人を赦免する。
トランプ政権下の米国が国際社会に対して負った「人権の負債」は枚挙にいとまがない。トランプ政権の4年間、米国は頑として自国優先を貫き、孤立主義、一国主義、いじめ主義を取り、世界の安全と安定を脅かす最大のトラブルメーカーとなっていた。
2018年6月19日、米国は国連人権理事会からの脱退を強引に宣言した。その1日前には、国連人権高等弁務官事務所が、国境地帯で移民の子どもを父母と強制的に引き離す米国のやり方を批判したばかりだった。
2017年7月から2020年7月まで、米移民当局は国際人権法及び国際人道主義に反して、南部国境地帯で5400人余りの子どもに対し、難民や不法移民の父母との分離収容を強行。家族が引き離される悲劇をもたらし、複数の子どもたちが収容中に死亡した。2019年には累計85万人の移民が米国南部国境地帯で逮捕された。彼らの大部分が乱暴な扱いを受け、人権を蹂躙された。2020年、米国の移民収容所で新型コロナウイルスの感染が拡大した。米政府は感染拡大の最中にも大量の不法移民の送還を強行して、中米諸国の感染拡大リスクを高めた。
ここ3か月間でも、10数万人の不法移民が米国に押し寄せた。米国の法執行担当者は5000人余りの子どもを父母とは別の混み合った簡易な部屋に収容して、「児童強制収容所」を何か所も作った。米政府は現在の移民の危機を認めることを拒絶し、記者が報道に向かうことを阻止してさえいる。
先般終了した国連事件理事会の会合で、いくつかの国々の代表は「新型コロナ感染症拡大の最中に、米国は『ワクチン・ナショナリズム』を遂行し、自国の人口に必要な量を遥かに超える大量の新型コロナウイルスワクチンを買いだめしたうえ、同盟国を含む他国へのワクチン提供を拒絶した」、「米国がこれまで繰り返してきた武力介入は他国に数多くの民間人の死傷をもたらした」、「米国は複数の国々に対して国際法に深刻に違反する一方的強制措置を実施し、他国の人権を深刻に侵害し、人道的危機を招いてすらいる」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年4月12日