外交部(外務省)の華春瑩報道官は10日の定例記者会見で、中国のロケットの残骸の落下問題について質問に答えた。
【記者】キャリア・ロケット「長征5号B遥2」上段の残骸が大気圏に再突入したことに関して、米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官は先日声明を発表し、中国はスペースデブリ(宇宙ごみ)の処理の面で責任ある基準に達していないと述べた。これについて中国側としてコメントは。
【華報道官】関係する報道をすでに目にした。すでにロケット上段は大気圏に安全に再突入し、地上への損害はなかった。NASAの主張についてだが、中国有人宇宙飛行事業弁公室(CMSEO)と中国国家航天局(CNSA)によると、宇宙ステーションのコアモジュール打ち上げに使用されたキャリア・ロケットが軌道高度を通過して自然に減衰し、最終的に大気圏に再突入して廃棄されるのは、現在国際的に広く行われているやり方だ。
北京時間4月29日、キャリア・ロケット「長征5号B遥2」による宇宙ステーションのコアモジュール「天和」の予定軌道への投入が成功した後、中国政府はロケット上段の再突入の状況を注視し続けてきた。ロケット上段は鈍化処理の技術をすでに採用しており、軌道上で爆発してスペースデブリを発生させることはなく、その部品のほとんどは大気圏再突入の過程で燃え尽きるのであり、航空活動及び地上に損害を与える確率は極めて低い。再突入の過程においても中国側はその軌道を厳密に追跡したうえ、大気圏再突入に関する状況を事前に通知した。5月9日10時24分、監視と分析の結果、ロケット上段はすでに大気圏に再突入し、東経72.47度、北緯2.65度の周辺海域に落下した。現時点で地上への損害の報告はない。中国側は国際協力体制を通じて再突入予測の結果を共有もした。
中国側は一貫して国際法と国際的慣例に基づき宇宙空間の平和利用活動を行っている。我々は各国がスペースデブリの問題について、より広範な国際交流・協力を行い、宇宙空間における活動の長期的持続可能性を確保することを望んでいる。
だが、米国の一部のメディアと人物がこの問題において明らかにダブルスタンダードであることも指摘したい。今年3月、米国のロケットの残骸が同国の農場に落下した際、米国メディアは「流れ星が夜空を照らした」や「まばゆいライトショー」といったロマンチックな言葉で描写した。だがこれが中国となると、全く異なる口調となる。こうした問題において、各者はいずれも客観的、理性的であるべきだと私は思う。我々は米国を含む他の国々と共に宇宙空間の利用の面で協力を強化することを望んでいるが、この問題におけるダブルスタンダードには反対する。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年5月11日