ウイルスの発生源は厳粛な科学問題だというのは、理性的な人が持つ考え方である。実際、世界保健機関(WHO)と全世界の良識ある科学者は、世紀の感染症流行の諸悪の根源を共同で探っている。
最新の情報によると、イタリア・ミラノの国立腫瘍研究所は6月5日、WHOからイタリアの2019年の血液サンプルの再検査を要請されたことを認めた。この行動は、昨年11月、イタリアの国立腫瘍研究所の科学研究員が2019年9月に採取した住民の血液サンプルから新型コロナウイルスの抗体を発見したという文章を発表したことが背景となっている。
疑わしい点があれば検査し、さらに研究し、結論を出す。これは非難することではない。
新型コロナウイルスの流行後、WHOの専門家は二度にわたり調査のため中国を訪れ、3月30日にジュネーブで「中国―WHO新型コロナウイルス発生源調査共同研究報告」を発表した。報告は、新型コロナウイルスが実験室で人に伝染した可能性は「極めて低い」とした。
近頃、イタリアもWHOの要請に応じ、血液サンプルを自主的に送り、科学と責任ある姿勢を示している。
しかし、「世界の頂点」に立つ世界唯一の超大国である米国は、ウイルス発生源問題に関して何度も世間を驚かせている。
昨年11月30日、米国疾病管理予防センター(CDC)が雑誌『Clinical Infectious Diseases (CID)』で発表した研究結果によると、米9州の住民の献血サンプルを検査したところ、新型コロナウイルスは早くて2019年12月中旬に米国に出現し、中国の正式確認より数週早いことがわかった。