「憶測ではなく科学こそが、新型コロナウイルスのヒト感染ルートを見つける鍵となる」国際的に有名な医学専門家24人が5日、権威ある医学誌「ランセット」に共同声明を発表した。米国の一部の政治家が唱える、いわゆる新型コロナウイルスが実験室から漏洩したという説に反論し、「現時点では新型コロナウイルスが中国の実験室から漏洩したという理論を裏付ける科学の証拠はない。最近行われた同業者による評議・審査・研究は、このウイルスが自然界から進化したものであることを力強く示している」と表明した。声明は同時に、中国の同業者への支持を改めて表明した。これらの専門家は昨年2月19日に「ランセット」に共同声明を発表し、新型コロナウイルスと戦う中国の科学研究者及び保健・医療従事者を支持し、ネット上で伝わる新型コロナウイルス関連の陰謀論を強く批判した。
5日の声明は、「我々は2020年2月19日に一堂に会し、中国の専門的な同業者に声援を送った。新型コロナウイルスの発生源、及び同業者の信頼について当時、裏付けのない批判の声が上がった。最近、2020年の年初の表明に変わりはないかと多くの人から質問を受けているが、その答えは明確だ。我々は当時感染症と立ち向かった中国の同業者、及び個人の危険を冒しこのウイルスと戦い続け疲労困憊している世界各地の保健専門人員に改めて声援を送る。我々の尊重と感謝は、時間がたつにつれ深まるばかりだ」とした。
米紙「ワシントン・ポスト」は、「新型コロナウイルスが実験室から漏洩したという説を裏付ける科学の証拠はない。医学専門家24人は声明の中で、当初声明を発表したもう一つの目的は、新型コロナウイルスの発生源が実験室ではなく自然界である可能性が最も高いという観点を示すことだったと表明した。彼らは現在もこの観点を貫いている」と伝えた。声明は、「新たな信頼できる、同業者から評議・審査を受けている科学文献の最も有力な手がかりによると、新型コロナウイルスは自然界から進化したものだ。実験室から漏洩したという意見は現在も、科学的論証の証拠と、同業者が評議・審査する科学誌からの直接的な支持がない」「批判と憶測は役に立たない」「批判の応酬は国際的な協力と連携を促しておらず、今後促すこともない」「現在は激しい表現をやめ、科学探究の扉を開く時だ」とした。
声明は最後に、共同で署名した医学専門家24人のうち一部が「中国との間に利益のつながりがある」という疑問を払拭した(特にエコヘルス・アライアンスのピーター・ダスザック代表)。新型コロナウイルスの発生後、科学を堅持し、実験室から漏洩したなどの陰謀論に反対する科学者は、各方面から圧力を受けている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月7日