香港紙「南華早報」の8月4日の独占記事によると、中国と世界保健機関(WHO)が結成した新型コロナウイルス発生源合同研究専門家チームの中国側リーダーの梁万年氏は、新型コロナウイルス発生源調査の次の作業は、2019年に武漢で感染症が流行する前に動物、環境、人体のサンプルからウイルスを発見した国、さらに華南海鮮市場にコールドチェーン商品を輸出していた国を対象に行う必要があると述べた。
梁万年氏は「南華早報」の独占取材に対し、新型コロナウイルスは中国以外の地域で先に人に感染した可能性があると示した。
梁万年氏は書面で取材に応じ、「我々はWHOに、早い時期に感染疑い、および動物と環境から発見された証拠を審査・分析し、今ある証拠の科学的有効性と信頼性を確定することを提案した。第二段階の重点は、公開されている研究証拠をもとに、ウイルスが中間宿主を介して自然宿主から広がった最も可能性の高いルートになる」とした。
さらに、上述を総合評価を通し、証拠がある国、動物から新型コロナウイルス陽性反応が確認された国、および華南海鮮市場にコールドチェーン商品を輸出していた国をウイルス発生源調査の範囲に組み入れるべきだと補足した。梁万年氏は複数の研究結果を引用し、新型コロナウイルスは2019年11月には欧州または米国で広がっていた可能性があるとの見解を示した。
例を挙げると、イタリアとオランダの実験室は7月、新型コロナウイルス流行前に採取した血液サンプルを再検査し、感染者の体内に通常存在する抗体を発見した。ブラジル・サンタカタリーナ連邦大学の専門家チームは昨年7月、2019年に採取した下水道サンプルから新型コロナウイルスを検出した。さらに、複数の血液サンプルは、武漢が新型コロナウイルスと確定する前に、米国とフランスで数人が感染していたことを示した。
「南華早報」は、WHOと中国が以前に共同発表した報告によると、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、フランス、ロシア、米国など20カ国がコロナ流行前に華南海鮮市場にコールドチェーン商品を輸出していたことがわかっていると伝えた。
梁万年氏はWHOに、調査作業は最新の研究成果に基づき、新型コロナウイルス拡散のルートと方式を順を追って見直すことを提案した。多くの研究で、新型コロナウイルスは人または動物から物体に伝染し、さらに物体から人に伝染することがわかっている。これは、呼吸器感染症の伝染に関する認識を変えた。
梁万年氏は、中国は自身の発生源研究を行う能力を持っていると強調し、「WHOが中国を視察する前に、中国は新型コロナウイルスの動物宿主を探る作業を開始していたが、華南海鮮市場で採取したサンプルは全て陰性だった。2018年から昨年までに(中国側が)採取した家畜と野生動物のサンプルの抗体と新型コロナウイルスも陰性だった」と述べた。
野生動物に対する研究について、梁万年氏は、国際協力体制で多種のコロナウイルスを持つ種を研究・検査し、作業の重点を実地調査と血清検査に置く必要があると呼びかけた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月5日