王毅国務委員兼外交部長(外相)は29日にブリンケン米国務長官と電話会談を行い、アフガニスタン情勢について意見を交換した。外交部(外務省)ウェブサイトが伝えた。
ブリンケン国務長官は、「米国は、アフガニスタンからの米軍撤退と米国民退避が完了しつつあるこの重要な時に、安保理が外部に向けて明確で統一された声を発するべきだと考える。そうすることで、タリバンが外国国民の安全な退避を確保し、アフガニスタン国民に人道的支援が確実に届くようにし、アフガニスタンの領土がテロ攻撃の策源地にならず、テロリズムの逃げ場にならないようにすることへの国際社会の期待を伝えるべきだ」とした。
王部長は、「アフガニスタンの国内情勢はすでに根本的に変化した。各方面はタリバンと接触し、積極的に導く必要がある。特に米国は国際社会と共に、アフガニスタンに差し迫って必要な経済・民生・人道支援を行い、新政権枠組が政府機関の正常な運営を維持し、社会的治安・安定を維持し、通貨下落や物価上昇を抑制し、できるだけ早く平和的復興への道を歩む手助けをする必要がある。アフガニスタンでの戦争が、アフガニスタン国内のテロリスト勢力の一掃という目的を達成しなかったことを、事実は改めて証明している。米軍とNATO軍の性急な撤退は、アフガニスタンに残る様々なテロ組織に捲土重来の隙を与える可能性が高い。米国は、アフガニスタンの主権と独立の尊重を前提に、アフガニスタンのテロと暴力の阻止を助ける実際の行動をとるべきであり、ダブルスタンダードや選択的なテロとの戦いを行うべきではない」と指摘。
「現在のアフガニスタン情勢混乱の原因を、米国はよく分かっているはずだ。安保理が何らかの行動を取るのであれば、それは対立の激化ではなく緩和、アフガニスタン情勢の再動乱化ではなく平穏な移行に資するものであるべきだ」と述べた。
ブリンケン国務長官はアフガニスタン問題における中国の懸念に理解と尊重の意を示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月30日