香港特区の林鄭月娥行政長官はこのほど、任期中で最後となる施政報告書を発表した。この施政報告書は香港地区を長年悩ませてきた土地や家屋などの民生問題を直視し、かつ香港地区の未来の発展に関する問題の解消を目指し、さらには香港地区・深センの「双城三圈」の形成を通じ香港地区・深センの融合を促そうとしている。国の第14次五カ年計画の香港地区に対する支持を十分に考慮しており、また「前海深港現代型サービス業協力における改革開放の全面的深化構想」(略称は「前海構想」)が香港地区にもたらす多くのチャンスにも注意している。
筆者がPythonを使い中国大陸部及び香港地区のすべての新聞、雑誌、通信社、政府公告、ニュースサイトの検索を行ったところ、1997年7月1日から2021年9月11日までの24年以上の期間に渡る「深セン・香港地区協力」「香港地区・深セン協力」と関連する内容の資料及び情報は1万5000件以上、字数にして3020万字以上で、その中から「深セン・香港地区協力」「香港地区・深セン協力」の産業関連のキーワードを抜き取った。また同じ方法で1998年から2021年にかけての広東省・香港地区協力連席会議の内容、2004年から2021年にかけての深セン・香港地区協力会議における言及や、香港地区・深セン協力について提案された分野及び産業を分析した。
その結果、政府当局者及び専門家・学者が過去24年に渡り最も多く言及・提案した香港地区・深セン協力の地域は前海地区だった。これは現在の前海地区が粤港澳大湾区の重要な中枢であり、香港地区が粤港澳大湾区の建設に取り組み、香港地区の長所を十分に発揮するための重要な足がかりであり、さらには深セン・香港の協力掘り下げの重要な場であることを反映している。
過去41年の深センにおける香港地区・深セン合弁企業の発展状況を検索したところ、深セン・香港地区による協力の成功率は、ハイエンド製造業、科学技術革新産業、交通・運輸・物流、現代サービス業が高めだった。「前海構想」はこれらの分野を網羅している。深セン・香港地区の関連産業の協力が成功を続ける可能性が高く、しかもより大きく発展することが予想できる。(筆者・梁海明香港の経済学者、シルクロード智谷研究院院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月8日