軍事専門家、米コネチカット原潜衝突事故を解読

中国網日本語版  |  2021-11-05

軍事専門家、米コネチカット原潜衝突事故を解読。爆発しなくても、核燃料または放射性汚染水が船体破損により漏れた場合、南中国海全体の生態に壊滅的打撃をもたらすことになる…

タグ:南中国海 原潜 衛星写真 放射線

発信時間:2021-11-05 17:01:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米海軍第7艦隊の報道官はこのほど、コネチカット原子力潜水艦の衝突事故の調査は終了し、「未知の海底山脈」に衝突したという結論に至ったと発表した。米メディアは以前、コネチカット原子力潜水艦が衝突後にグアム基地に停泊する衛星写真を公開したが、写真にはコネチカット号の水線面以上の部分しか写っていなかった。国際社会が最も注目したのは、米国が詳細を説明していない点である。米国が今回の原潜衝突事故を隠蔽し、説明しない理由は何か。衝突の裏に何が隠れているのか、また何が露呈したのか。新華社の記者はこのほど、軍事専門家の周偉政氏と羅曦氏に独占インタビューを行い、解析してもらった。

 

 記者:米国側の自己調査に誠意がなく、失望させられたと言われる理由は何か。

 

 周偉政氏:米国側の原潜衝突事故に関する調査結果は専門的でなく不透明で、国際社会の関心と疑問に答えていない。原潜が海底山脈と衝突するというのは、別の船舶と衝突するより危険である。海底山脈は質量と体積が大きいため、衝撃力も強く、原潜の船体が変形、さらには断裂する可能性がある。また、原潜が携帯するミサイルまたは魚雷などの兵器が爆発する可能性もある。最悪の場合、稼働中の原子炉の停止が間に合わず、冷却できないまたは制御システムの破損により核爆発を引き起こす可能性もある。爆発しなくても、核燃料または放射性汚染水が船体破損により漏れた場合、南中国海全体の生態に壊滅的打撃をもたらすことになる。


 記者:米軍の今回の対応が普段と違うと言われる理由は何か。

 

 羅曦氏:コネチカット号の南中国海での衝突事故について、米軍は詳細の説明を故意に先延ばしにし、隠蔽している。このような態度は国際社会のさらなる疑問を招いた。公開された衛星写真にはコネチカット号の水線面以上の部分しか写っておらず、水線面以下の部分、特に原子炉の位置の破損の有無に関して公表しておらず、放射線漏れのリスクも否定できない。


 周偉政氏:米軍は放射線漏れはないと主張しながらも、原潜衝突事故後にWC-135核偵察機を南中国海に派遣した。これは大気サンプルを採集し、放射性物質の有無を検測する偵察機である。この偵察機の派遣は、米国自身がびくびくし、事故が懸念するほど深刻なことを意味する。


 記者:米国は南中国海で長期にわたり高密度の軍事存在を続けているが、騒動を頻繁に引き起こす意欲は何か。地域の安全情勢にどのような影響と危害を及ぼすか。


 周偉政氏:南中国海は静かな場所で、域内国の協力交流メカニズムも良好だが、米国が艦艇を派遣し南中国海で騒動を頻繁に引き起こすのは、矛盾を起こし、緊迫状態を人為的に作り出し、地域の発展局面を破壊し、他国の発展を牽制し覇権的地位を維持するためである。


 米国の南中国海での高密度の軍事存在は海上交通安全のリスク源となっており、南中国海地区の平和と安定および国際航路の安全をひどく脅かしている。米国がいわゆる「ゼロサムゲーム」を続け、抑止的な冷戦思考を堅持している限り、南中国海での軍事行動をやめることはなく、地域情勢を穏やかにすることも難しい。コネチカット号の衝突事故のような安全事件は、おのずと再発する。


 記者:今回の原潜衝突事故と近頃の米英が支持するオーストラリアの原潜建造などは、米国の「核政策」におけるどのような変化を反映しているか。


 羅曦氏:最近の一連の出来事から、核兵器の米軍の戦略的配備における地位が向上していることがわかる。これは核兵器の使用条件が引き下げられ、核兵器が「使用でき、便利」な兵器になり、核拡散リスクと核衝突リスクを高め、国同士の衝突が核衝突にグレードアップする可能性をさらに引き上げることになる。


 米国は国際核安全秩序の構築者と維持者だと自身を過大評価するが、大国競争の動きの中で、「絶対優先」と「実力至上」原則は米国の核兵器庫建設と核軍事抑制外交の中心思考になり、安全・公平・道義を原則とするはずの国際核安全秩序と国際核不拡散メカニズムを徐々に多元化、ツール化、戦略化する弊害を招く。

 

 記者:米国の核不拡散政策の本質が「選択的核拡散」だということをどのようにとらえているか。これは国際核安全秩序にどのような影響を及ぼすか。


 羅曦氏:近年、米国の対外戦略の重心は大国協力から大国競争に移り、核政策の議題の重心は核安全から核武力の現代化に移り、核軍事抑制外交は「ツール主義」から「実用主義」に移りつつある。『中距離核戦力全廃条約』、『オープンスカイ航空協定』、『武器貿易条約』、イラン核交渉などの多国間軍事抑制条約を勝手に離脱した一方で、盟友の安全と地域のライバルを抑止し均衡をとるため、核不拡散問題で「選択的」支持と「差別的」制圧を内容とする「二面性」の政策を推し進めている。ライバルまたは「非友好」国に対し、米国は常習的に政治孤立、経済制裁、軍事制圧などの協力手段を使って「極限の制圧」を行っている。盟友またはパートナー国に対して、計画的な核開発、画策的な核配備を行い、国際核不拡散メカニズムを危険にさらしている。また、地域の核軍備競争と核リスクを激化させている。米国の実戦を追求する核理念、冷戦思考に満ちた核政策および抜け穴だらけの核管理は、米国を国際核安全秩序の最大のリスク源にしている。

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月5日

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