中国の王毅国務委員兼外交部長(外相)は15日、中国を訪れたサウジアラビア、バーレーン、クウェート、オマーン、トルコ、イランの6ヶ国外相及び湾岸協力会議(GCC)事務局長との会談等を終えた後、メディアのインタビューに応じた。王部長は湾岸地域情勢について、「状況がどう推移しようとも、湾岸諸国は湾岸の安全と安定を実現するための鍵を自らの手中に握るべきだ」と述べた。中国新聞社が伝えた。
王部長は「湾岸はエネルギー資源が豊富であり、この地域の安全と安定は世界全体の戦略環境に関わる。現在、湾岸諸国間で連動の機運がある程度高まり、イラン核合意の履行再開に向けた交渉が進展を遂げ、地域情勢は良い方向へと発展する機会を迎えているが、様々な問題や試練も存在する。状況がどう推移しようとも、湾岸諸国は湾岸の安全と安定を実現するための鍵を自らの手中に握るべきだと我々は考える」と指摘。
「GCC諸国とイランは転居できない隣人同士だ。隣国間では溝や摩擦があればあるほど、行き来をしてコミュニケーションを図る必要がある。GCC諸国とイランは共に中国の友人であり、中国の影響力を重視し、中国がより大きな役割を果たすことを期待している。このため、我々は対話を通じた平和の促進に積極的に努め続けてきた。無錫での会談で、私は中国側の見解と提言を共有すると同時に、各国に互いの懸念を伝えて、信頼を増進し、疑念を解消するための取り組みを行った。サウジアラビアとイランは共に関係改善への前向きな意欲を表明し、各国も地域の平和のために自らの役割を果たす意向を表明した」と述べた。
王部長は「イラン核合意の履行再開に向けた交渉は今も続いている。中国は合意当事国の一つとして、コンセンサスを積み重ねるために積極的に役割を果たしている。これと同時に、我々は地域安全保障における湾岸諸国の合理的な懸念も理解しており、このため湾岸地域多国間対話プラットフォームの設置というイニシアティブを特に打ち出した。また、このイニシアティブのプロセスを始動するため、ペルシャ湾沿岸諸国の専門家や学者を中国での『デュアル・トラック』の意見交換に招いた」と説明。
「次の段階として、中国は各国の意思を尊重し、その声に耳を傾け、その考えをまとめたうえで、湾岸地域多国間対話プラットフォーム・イニシアティブをできるだけ早く実行に移したい。地域諸国には、率直で誠意ある対話を通じて溝を埋めてもらいたい。我々はイエメンなど差し迫った地域紛争問題の政治的解決から着手し、簡単なものから難しいものへと、一歩一歩相互信頼を積み重ねていくことを提言する。条件が整った時には、湾岸集団安全保障体制を構築して、湾岸の共通の安全保障、総合安全保障、協調的安全保障、持続可能な安全保障を実現することを検討できる」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年1月17日