このところ、米国は世論への宣伝、制裁の脅し、軍事的エスカレーションなど様々な手段でウクライナ情勢の緊張を誇張している。米国は本当にロシアとウクライナの間での戦争勃発を望んでいるのだろうか?米国はロシアの対ウクライナ武力行使の脅威を盛んに誇張しているが、一体何を企てているのだろうか?中央テレビニュースが伝えた。
■戦争パニックを煽り、NATO復活を望む米国
中国社会科学院ロシア東欧・中央アジア研究所の張弘研究員によると、米国はロシアとウクライナの戦争勃発を望んでいるわけではないが、ロシアとのいわゆる戦略的妥協も望んでいない。冷戦終結後、NATOは東へ拡大を続け、ウクライナ地域を中心にロシアの戦略空間を圧迫してきた。NATOのこうした行動は、欧州全体の戦略環境と戦略体制を崩壊させる可能性がある。
米国はロシアと妥協したくない一方で、戦争パニックを煽り続けることで、東欧諸国を「ロシア恐怖症」にし、NATOを「復活」させて、世界戦略の手先とすることを企てている。
■国内問題への関心をそらし、中間選挙を前に勢い増したいバイデン政権
専門家によると、米国がロシアを共通の敵にしたのは、1つには欧州の同盟国を抱き込み、米国が主導・掌握・コントロールする欧州秩序を維持するためであり、もう1つには米国の現政権がウクライナ問題を利用して自国民の関心をそらし、中間選挙で得票を伸ばすことを望んでいるためだ。
張氏によると、米国がロシアの脅威を誇張するのには、地政学的安全保障上の考え以外に、国内の政治的要因もある。バイデン政権は経済や新型コロナ対策でアピールできる点がないため、中間選挙で大きなプレッシャーに直面しているが、外交面で誇大宣伝をすることで、支持率を押し上げられる可能性があるのだ。
■中国外交部「戦争の可能性を誇張し宣伝するのは無責任な行為」
ウクライナ情勢について、中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は15日の定例記者会見で、「戦争の可能性を誇張し、宣伝するのは責任ある行為ではない。ひたすら制裁を科し、圧力を加えることも事態緩和の助けにならない。中国側は各国に対して、対等かつ開かれた姿勢で、対話と交渉を通じて『ミンスク2』の的確な実行を後押しして、ウクライナ危機の政治的解決のために条件を整えるよう呼びかける」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年2月16日