バイデン米大統領との会談後、ワシントンで訪問・活動中のリー・シェンロン首相は現地時間30日、米外交問題評議会で開かれた会談に出席した。リー氏は1時間内に、ウクライナ危機、グローバル化、気候変動などの質問に回答し、「中国」を頻繁に口にした。リー氏は、ロシアとウクライナの衝突は国際枠組み及び世界協力体制を破壊し、米中関係の緊張を激化させたとした。また、アジア太平洋の戦争を防止する平和的解決のメカニズムの構築を目指すよう呼びかけ、中国を国際体制から除外することに反対し、米中のデカップリングを否定した。
31日付シンガポール華字紙「聯合早報」によると、リー氏はウクライナの危機に言及した際に、「ウクライナ情勢の成り行きは、米中関係に必然的に重大な影響を及ぼす。双方の関係をすでに緊張させている」と述べた。リー氏は、米中が両国関係を理性的に考慮し、維持することを願っている。米中関係がさらに悪化すれば、アジア太平洋及び世界に深刻な結果をもたらすという。リー氏はまた、世界が相互依存しているという点を理解した上で制裁を見る必要があるとした。大国による制裁措置により、別の国が実質的な経済の悪い結果に直面することになるという。
リー氏はグローバル化に関する質問に対して、「中国は発展と拡大を続け、勢いを止めることはできない。ここで問題になるのは、いかに中国を国際体制に迎えるかということだ。阻止を試みることはできるが、これは自分を隔離することになり、かつこの関係に長期的なリスクを形成する。あるいは中国との協力を試み、国際体制に受け入れ、ウィンウィンと互恵を実現し、建設的に進めていくのもいい」と答えた。リー氏は、「中国とデカップリングすれば、米国は大きな経済コストを支払うことになる。中国は米国にとって最大の貿易パートナーの一つで、多くの米国企業の製造拠点だ。これらのチェーンが断裂すれば、米国も損失を被る」と注意を促した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月1日