建設中の香港国際空港第3滑走路。第3滑走路の建設工事は2021年6月に完了した。(香港国際空港の公式ウェブサイトより)
香港特別行政区は中国復帰後の25年間、「一国二制度」の制度的優位性を十分に発揮し、競争優位を強固なものにし続け、経済と社会の繁栄と安定を維持してきた。
最近の一連の試験飛行や訓練などの準備作業の完了に伴い、香港国際空港の第3滑走路が6年間の工事を経て、今年中に運用を開始する予定だ。
香港特区は、飛行機で5時間の航程内に世界の人口の半分以上をカバーするという地理的優位性を持つ。空港は、香港経済の発展を支える重要な役割を果たしている。データによると、2018年の香港国際空港の年間旅客数は延べ7500万人ほどで世界でも上位にあり、年間航空貨物輸送量は500万トン超で世界1位だった。
香港国際空港の目覚ましい成果は、復帰後25年間の香港経済の勢い良い発展の縮図だ。25年間、香港経済発展の「パイ」は大きくなり、国際金融センター、国際貿易センター、国際海上輸送センターとしての地位を維持し、高め、産業面の優位性を強化・発展させ続けてきた。
香港特区の過去の成功と現在の発展は、いずれも国家の発展と切り離せないものだ。国家の急速な発展は、香港経済の発展にとって最大のチャンスであり、繁栄を維持するための最大の底力だ。「一国」という根本を堅守して「二制度」の利点を活かす「一国二制度」は、香港特区の発展における最大の優位性だ。
香港金融管理局の余偉文総裁は「祖国復帰以来、香港特区の金融システムは常に安定を保ってきた。これは香港特区の慎重な政策と健全な規制によるものだが、それ以上に、祖国に支えられて世界に向かうという香港特区の独特な優位性のおかげだ」と指摘する。
中央政府の支持の下、香港特区はすでに世界最大のオフショア人民元業務ハブとなり、その資本市場を拡大・強化し続けている。2022年1月現在、香港特区の譲渡性預金を含む人民元預金残高は1兆1135億元(1元は約20.1円)にまで増加した。2022年4月現在、香港特区に上場している大陸部企業の数は1370社に達し、香港証券取引所の上場企業総数の53.3%を占め、株式時価総額は香港株全体の77.7%にあたる37兆6000億香港ドル(1香港ドルは約17.2円)に達している。
「『一国二制度』は、香港特区にビジネスにおける独自の優位性を創出した」。香港特区政府投資促進局の蒋学礼局長補佐は、基本法に保障される形で、香港特区は世界で最も自由なエコノミーの1つになると同時に、低税率のシンプルな税制を維持しており、企業にとって非常に魅力的だと指摘する。
2021年末時点で、香港特区にオフィスを構える中国大陸部と海外の企業の総数は過去最多の9049社に達し、うち1457社が香港特区に地域本社を設置している。蒋局長補佐は「昨年、我々は333社の香港特区での事業立ち上げや拡大を支援した。うち186社は粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、マカオ両特別行政区によって構成される都市クラスター)の発展の機会を有望視して、香港特区への投資を選択した」と指摘。さらに「香港特区は一方では、大陸部企業に法律・融資面でサービスを提供し、その海外展開を支援することができる。もう一方では、国際的な投資機関や企業を誘致して、彼らが大湾区の資源を十分に活用して、アジアさらには世界の市場においてより良い発展を遂げるようにすることもできる」と語る。
第14次五カ年計画(2021~25年)綱要は、香港特区の将来のために明るい展望を描いた。粤港澳大湾区の建設が深く進むにつれ、香港特区は新たなチャンスを迎える。近年、香港特区はオフショア人民元市場の発展、地域知的財産権取引センターの建設、国際的な法律・紛争解決サービスなどに力を尽くしている。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月27日