【新華社北京8月7日】中国外交部の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は5日、現在の台湾海峡情勢の緊張を生み出した原因と結果は明確であり、理非曲直も一目瞭然で、米国が積極的な挑発者であり危機の製造者だと指摘した。
華報道官は同日の定例記者会見で、米政府当局者の関連発言について質問を受け、次のように述べた。現在の状況は全てペロシ氏と米国の政治家が引き起こしたものだ。台湾問題の本質は、いわゆる民主主義の問題ではなく、中国の主権と領土保全に関する重大な原則の問題である。米国は立場を変えて考えてみるといい。米国の特定の州が米国から分離独立しようと試み、別の国がその州に武器や政治的支援を提供した場合、米政府と国民はそれを許せるだろうか。
ペロシ氏の訪台事件は、「一つの中国」原則に著しく違反し、国際関係の基本準則を厳重に踏みにじり、中国の主権と領土保全を著しく損なうものだ。中国は、最大限の外交努力を尽くし、事件の重大性と危険性をさまざまなルートで繰り返し米国に警告し、中国が決して座視せず、「台湾独立」の分裂勢力に一切の余地を与えず、これによって生じる全ての結果は米国が責任を負うと明確に指摘してきた。国際社会の各方面も相次いで警告を発し、ペロシ氏の台湾訪問が全く不必要な悪意ある挑発であり、深刻な危機を引き起こすと指摘した。しかし残念ながら、米国はこれを無視し、自らの考えを押し通した。
米国の悪意ある挑発が先で、中国の正当防衛はそれに応じたものだ。中国による関連する対抗措置は、挑発者に対する必要な警告であり、国の主権と安全を守る正当なものである。今、米国とその追随者たちは飛び出してきて中国が過剰反応していると非難するが、彼らが本当に地域の平和と安定に関心を持つなら、なぜもっと早くペロシ氏の訪問を思いとどまらせるために立ち上がらなかったのか。中国が取った対抗措置は正当かつ必要なものであり、全く過剰ではない。この危機を起こした張本人として、米国がその全責任を負うものであり、また負わなければならない。
中国による関連措置は、地域の平和と安定、ならびに国際法と国際関係の基本準則を断固として守るものでもある。21世紀の現在、米国が世界の警察官や国際裁判官を気取り、他の主権国家を、警察官に首をひざで押さえつけられて殺されたフロイドさんのように扱うことを決して許すわけにいかない。中国がもし迫り来る米国の内政干渉と主権侵害行為に対して気にかけず、米国の常軌を逸した無責任な行動に断固として抵抗しなければ、主権や領土保全などを尊重する国連憲章の趣旨と国際関係の基本準則は空文と化し、世界の人口の8割以上を占める広範な発展途上国が、いつでも次の目標になりかねない。
だから、160カ国以上がこのほど正義の声を発し、「一つの中国」政策を堅持し、中国が自国の主権と領土保全を断固守ることを支持すると改めて表明した。これは、覇権と反覇権、干渉と反干渉、分裂と反分裂の大きな闘いと言える。
中国は歴史上、嫌というほど列強の侵略を受けてきた。しかし、中国はもはや120年前の中国ではない。中国人民は、外来勢力がわれわれをいじめ、抑圧し、奴隷化することを決して許さない。そのような考えを抱く者は、14億を超える中国人民の血と肉によって築かれた鋼鉄の長城に阻まれ、血まみれとなるだろう。台湾問題に関する中国政府と中国人民の立場は一貫しており、中国の国家主権と領土保全を断固として守ることは、14億人余りの中国人民の確固たる意志である。
米国といわゆる「民主」国家の追随者たちがこの点を明確に認識し、人類の5分の1の人口を占める中国人民の核心的利益と確固たる意志を重視し、尊重することを望む。
「新華網日本語版」2022年8月7日