江西省萍城市から北へ25キロのところにある楊岐山(ようぎさん)は中国仏教の名山として知られ、風光明媚で気候も穏やかだ。楊岐山にある楊岐普通寺は中国禅宗の五家七宗のひとつ、楊岐宗発祥の地だ。唐代に建立され、はじめは「広利寺」と呼ばれていたが、宋代に「普通寺」と改めた。1200年以上の歴史を持つ。寺院には唐代の碑、塔、コノテガシワの古木がそびえる。唐碑は、唐代の大文豪、劉禹錫(りゅう・うしゃく)が乗広禅師のためにしたためた碑文。唐塔には、乗広禅師と甄叔禅師が眠る。コノテガシワは甄叔禅師が植えたもの。この「三唐」は歴史的な価値も、文化財としての価値も極めて高い。
禅宗は中国仏教の各宗派の中でも歴史が長い。楊岐宗は宋初期に起こり、禅宗の五家七宗のなかでも特に広く広まった。国内をはじめ、日本、韓国、東南アジア、欧米など海外にまでその影響は及んでいる。
日本と韓国で最初に楊岐宗を弘法したのは、6代目の普照知訥(ふしょう・ちとつ)禅師(1158-1210年)で、その後、蘭渓道隆(らんけい・どうりゅう)や兀庵普寧(ごったん・ふねい)がそれぞれ日本と韓国で弘法した。楊岐宗の弟子らは、文化と友好の使者としても、中日、中韓の文化交流と友好発展に貴重な役割を果たした。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年5月20日