29日未明、重慶市南岸区の抗戦遺跡博物館内の瓦葺きの建物から出火した。火はすでに消し止められており、けが人も出ていない。出火面積は約120平方メートル。
重慶市文物局、重慶市文化執法総隊、南岸区委員会、区政府の関係者は火災発生後ただちに現場に駆けつけ、国家文物保護緊急対策を発動した。火災原因は調査中。
重慶抗戦遺跡博物館は2013年に国家級文物保護単位に指定された。敷地面積は約500ムー、文化財遺跡面積は4063平方メートル。西南地区で一般公開されている抗戦遺跡のうち、保存状態が最も良好で最大規模の文化財・建築物遺跡だ。
同博物館は「重慶黄山陪都遺跡」をベースに改築された、抗戦時代の国際反ファシズム戦争極東指揮センターだ。当時は国民政府の軍事・政治・外交の中枢という重要な場所だった。
瓦葺きの建物は、黄山軍事委員会の宿泊施設で、建築面積は209平方メートル。中国・西洋風の土木構造と回廊を持つ平屋建てで、蒋介石が賓客をもてなした場所だった。長男の蒋経国、侍従室主任の張治中ら要人が宿泊した。米国の大統領特使マーシャル元帥が1945年に重慶市を訪問した際に、ここで宿泊した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月30日