中国発展改革委員会がこのほど開いた西部大開発「十一・五」(第11次五カ年計画、2006年~2010年)全体計画に関する座談会で明らかにされたところによると、西部地域の社会主義新農村の建設を加速させるため、「十一・五」期に、国は西部地域の12の省(直轄市、自治区)において、「新農村建設十大プロジェクト」を実施することにしている。
この十大プロジェクトの内容は、基本口糧田(自給食糧生産用地)整備プロジェクト、地域商品食糧基地建設プロジェクト、特色・優位農産物生産基地建設プロジェクト、節水モデルプロジェクト、農村飲用水安全プロジェクト、移住支援プロジェクト、農村エネルギープロジェクト、農村道路建設プロジェクト、農村医療・衛生および計画出産プロジェクト、西部地域農民起業サポートプロジェクトとなっている。
基本口糧田整備プロジェクトでは、「耕地を樹林に戻す」政策の実施地域において、自給食糧生産用地1500万ムー(15分の1ヘクタール)を改良、整備する。
地域商品食糧基地建設プロジェクトでは、主に四川省の成都平原、陝西省の関中、寧夏回族自治区と内蒙古自治区の河套、甘粛省の河西回廊および雲南省、貴州省、西蔵(チベット)自治区、新疆ウイグル自治区などの省・自治区の条件が整ったところに商品食糧生産基地を構築し、地域の食糧供給問題の解決を図り、西部地域における食糧自給の確保を目指す。
「十一・五」期に、国は西部の地域間の異なった資源優位をもとに、綿花、糖料作物、葉タバコ、果物、花卉、茶、ジャガイモ、畜産品、林産品、漢方薬草という10の特色のある産物の生産基地を逐次つくり上げる方針。
国はまた、西部地域において、道路、医療・衛生、農村飲用水安全および節水モデル事業、移住支援、新エネルギー利用などの専門プロジェクトの実施の加速化を図っている。具体的には、農村部の11万キロの道路を改造し、条件が整ったすべての郷・鎮・村に道路が通じる目標を達成させる。基本的な生存条件が失った地域の農民・牧畜民に対して、国は優先的に資金を拠出し、移住支援を行い、150万人の移住を完了させる。西部地域の3700万人の農村住民の飲用水問題を解決する。農家にメタンガス池1100万個をつくり、電力網の延長、風力発電、小型水力発電所、太陽光エネルギー発電などの手段を利用して、電気が通っていない西部地域の電力供給問題を解決する。
このほか、郷・鎮診療所の整備を重点とし、同時に県クラスの病院、婦人・子供保健所、県クラスの中医院を整備する。県、郷の計画出産技術サービス・ステーションの整備を重点とし、県クラスのサービス・ステーション、中心サービス・ステーションの建設、移動サービス車の配置などを通じて、農村部の医療・衛生および計画出産サービスの質を高める。
計画草案はまた、農民企業家の育成を重点に、西部地域の農民の創業技能の育成を強化し、農民による企業設立をサポートし、農民の収入増を図るとしている。
「チャイナネット」2006年8月25日