経済に関心のある人が近頃よく耳にするのは「預金準備」という言葉だ。
中国人民銀行(中央銀行)はこのほどまたも、今月26日から預金準備率を0.5ポイント引き上げると発表した。これは今年に入って9回目、2003年以来では14回目の準備率引き上げだ。準備率は13.5%となり、1984年に人民銀が中央銀行としての職能を行使するようになってから最高の水準に達することになる。
預金準備率がたびたび引き上げられ、過去最高水準を記録するに至った背景には、銀行システムにおける資金の流動性管理を強化する狙いがある。現在、銀行の資金には比較的余裕があり、過剰な流動性の問題が深刻化している。最新のデータによると、
今年10月末現在、広義マネーサプライ(M2)は前年同期比18.47%増加し、7月末時点の増加率18.48%をわずかに下回る今年2番目の増加率を記録した。同様に狭義マネーサプライ(M1)も同22.21%増加し、増加率は8月末時点の22.77%に次ぐ今年2位だった。このように通貨供給量の過剰ぶりが目立つ。1~10月、人民元建て貸付金は3兆5千億元増加し、昨年の増加額をすでに10%上回った。貸付金の伸びが非常に急速だ。
昨年以来、預金準備率がたびたび引き上げられているが、9月末現在、商業銀行の中央銀行に預けている準備預金の占める割合を示す超過準備率は2.8%で、前年同期を0.28ポイント上回っており、超過準備率はなお高いといえる。こうした「通貨供給量の過剰」「貸付金の急速な伸び」「高い超過準備率」が資金の流動性が直面する厳しい状況を反映している。預金準備率を高めれば、金融機関の貸付資金を減らすことができ、通貨供給量と貸付金の急増を抑制し、資金の流動性管理を強化することが可能になる。実際、今回の準備率引き上げにより約1900億元の貸付資金が凍結される見込みで、通貨乗数の影響を受けて、実際に凍結される資金量は数千億元を超えるものと推計される。
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