▽人民元レート問題
人民元レートの問題については、ここ2年来、中国は積極的かつ適切に人民元レート形成メカニズムの改革を推進し、完璧させて大きな進展をみており、人民元の対米ドルレートは11.9%、対日本円レートは7.4%上昇した。中国は責任を果たす国であり、人民元レートの適切な調整によって、中国企業および中国経済の安定を維持し、周辺国経済の安定にも積極的な影響を与えている。中国・アジア経済の安定は、世界経済の安定的発展にもプラスになる。レートはある程度は貿易赤字額に影響するが、唯一の決定要因ではない。人民元が値上がりしても、中国の輸出は減らず、このことは世界の産業分業構造と中国製品の競争上の優位点を物語る。人民元の対ユーロレートは、人民元対ドルレートおよび国際市場での米ドルの対ユーロレートによって決まるのであり、米ドルの最近の大幅下落こそがユーロ上昇の主要因だ。当然のことながら、中国は今後も引き続き主体的でコントロール可能な形で、かつ段階的に人民元レート形成メカニズムを改善し、市場の需給が人民元レート形成に果たす基本的な役割を一層発揮させる。また人民元レートの柔軟性を高め、資本項目における人民元と外貨との両替を段階的に実現させる。われわれは金融分野でのEUとの交流・協力を引き続き進め、対応するメカニズムの構築を望んでいる。
▽知財権保護の問題
知的財産権の保護については、中国政府のこの問題に対する態度と立場は非常に明確だ。これについて次の点を強調したい。第一に、知財権保護は中国の対外開放に必要なだけでなく、国内における独自開発の奨励や科学の発展促進にも必要なことだ。第二に、中国は知財権保護を真剣に誠意をもって進め、取り組みに力を入れている、1985年に第一次「専利法」(専利は特許、実用新案、意匠)が打ち出されてからわずか20年ほどの間に、大きな成果を上げ、先進国が数百年歩んだ道を走り抜け、特に法律執行(エンフォースメント)と摘発・処分を強化した。同時に、政府は知財権保護法の普及に向けたキャンペーンを広範囲に展開し、社会全体で知財権保護意識を高めた。第三に、中国とEUの知財権保護分野での対話交流メカニズムが整い、協力が順調に進んでいる。最近では、双方は知財権作業チームの会談要綱に調印すると共に、知財権保護第2期プロジェクトをスタートさせた。双方の税関も了解覚書に調印し、知財権保護の法執行に向けた協力を強化した。われわれはEUとともに努力し、知財権保有者の合法的な権利を共同で守りたい。
中国とEUは経済の相互補完性が高く、協力の潜在性は高い。EUは全体的な経済発展レベルが高く、技術は世界トップで、サービス業は発展し、管理の理念も先進的だ。中国は世界最大の発展途上国であり、広大な市場と豊富な労働力を擁する。今後長きにわたり、中国・EU経済は引き続き相互に補完し合う状態を継続し、両地域間経済の相互利益協力や持続可能な発展に向けて大きなチャンスがもたらされるだろう。われわれはこうしたチャンスをしっかりとつかまえ、中国・EUの経済貿易協力のさらなる発展を推進していかなくてはならない。
「人民網日本語版」2007年11月29日
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