中国政府は今年に入り、「中国は意図的に貿易黒字を追求しているわけではなく、貿易のバランス実現を望んでいる」という主張を繰り返し、一連の貿易黒字抑制策を講じてきた。
商務部は今年初め、「貿易黒字の削減」を今年の通商政策における最重要課題とすることを決定した。7月1日には一部商品の輸出税還付率の引き下げが実施され、中国税関が徴税対象として定める全商品の37%に及ぶ項目について輸出還付税の見直しがなされた。そのうち、500項目以上の「両高一資」製品(高汚染産業、エネルギー大量消費産業、資源消費型産業)と2000項目以上の貿易摩擦を引き起こしやすい商品を含む。7月23日には、新「加工貿易制限類リスト」が発表され、税関商品コードのうち15%が対象となった。今月施行された新「外商投資産業指導リスト」では、政策面での根本的な改定が行われており、輸出主導型政策にピリオドが打たれた。今後もさらに多くの輸出抑制・輸入推進措置が続々発表される見通しだ。
貿易政策面での根本的改革を実施する以外にも、政府は「貿易黒字の削減」に向け、国内経済モデルの調整推進、国内消費拡大の奨励、資源価格の回復、人民元レート形成メカニズムの改革、外資導入政策の調整、企業の海外進出奨励などを次々と打ち出した。貿易黒字削減に向けた中国政府の本腰を入れた構えを評価する声は多い。
しかし、「厚い氷は1日の寒さでできたものではない」ように、低付加価値・未加工製品の大量輸出を基本的特徴とする中国の貿易発展モデルが、高付加価値・高ハイテク製品輸出モデルに短期間で完全転換することは現実的とはいえない。貿易黒字削減は決して「1日にして成る」ものではない。
一部の急進的な貿易相手国は、中国の現在の「貿易黒字削減」措置が即効的なものではないため、貿易黒字問題を解決する最善の方法は、人民元レートの大幅上昇だと考えている。しかし実のところ、2006年7月の為替レート改革以来、人民元レート上昇率はすでに10%を上回ったが、中国の貿易黒字は削減どころか増加しているのが現状だ。
「人民網日本語版」2007年12月17日 |