為替レートメカニズムがまだ完全に確立、完備されていない状況では、人民元の上昇は主動性、漸進性、制御可能性の原則に基づくべきであり、さもなければ中国経済にとって脅威となるだろう。
商務部の陳徳銘副部長は07年12月12日に開かれた中米第3回戦略経済対話で、「人民元の上昇が速すぎれば、中国経済に波乱が生じるだろう」との考えを示した。だが、陳副部長の言葉の余韻は、まさに上昇がむしろ突然的に加速したことに表れている。08年1月7日、銀行間の外国為替市場では対ドルレートの中間値は7.2695元と、改革以来の最高値を再更新。05年に人民元レートの改革を実施して以降、すでに対ドルレートは約12%上昇した。
その後の数日間は小幅に変動したものの、急速な上昇圧力はやはり多くの経済学者に警戒感を抱かせることになった。人民元がこうしたスピードで上昇していけば、中国経済が打撃を受ける可能性があると懸念するからだ。
商務部国際貿易経済協力研究院のデータによれば、対ドルレートが7%まで上昇すると、輸出型企業の損失は10%近くになる。企業の多くはこのため方針転換あるいは体制強化を迫られることになり、輸出競争力が低下するため、一部で赤字に転落する企業も出てくる。
中国は人民元の上昇に反対しているわけではないが、速すぎる上昇、極限を超えた、非合理的な上昇、国情と受け入れ能力に合わない速すぎる上昇には反対の姿勢を示している。
そのため、人民元は数日前の取引で一日の上昇値が突然的に加速したが、08年にもそうした状況が起きるのか、人民元はどれほど上昇するかに、大きな関心が集まっている。
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