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外資系企業の相次ぐ撤退の原因は?
発信時間: 2008-03-04 | チャイナネット

労働力コスト

今年1月1日に施行された「労働合同法」(労働契約法)は、企業従業員の給与基準を引き上げただけでなく、従業員が受けるべき福利厚生の基準についても強制力ある規定を設けた。在中国外資系企業の多くは労働集約型の加工企業であり、新法施行によるコストの増大は想像に難くない。

租税コスト

今年スタートした租税新政策では、外資系企業に対する優遇税率(平均13%)を廃止し、国内企業と同じ平均税率(約30%)を適用することとした。これにより外資系企業の利益が減少した。同時に、輸出増値税(付加価値税)の還付率がこれまでの17%から13%に引き下げられ、今年5月にはさらに5%に引き下げられる見込みだ。外資系企業では製品の約50%が親会社に回されるか、国外に輸出されており、輸出増値税の還付率引き下げは利益の減少に直接つながる。

人民元レート上昇のコスト

人民元レートは改革実施以来、累計13.31%上昇した。2007年の上昇率は6.9%で、08年の年初以来の上昇率は2%を超えた。人民元の急速な値上がりを受けて、多くの外資系企業が製品の値上げによってリスクを回避せざるを得ず、市場での価格決定力が揺らいでいる。

拡大再生産のコスト

これまで地方政府が外資系企業を引きつける最も重要な「武器」だった土地が、マクロ的な理由から柔軟性のない制約を受けることになり、工業用地も制約を受けるようになった。また環境保護上の要求が企業評価の重要な指標になっている。こうしたことから、委託加工貿易型の外資系企業にとって、拡大再生産を行う上で受け入れるべきリスクが増大している。

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