人民元レートの上昇が加速している。年初以来のわずか4カ月間内に、人民元の対米ドルレートは4.26%上昇し、対香港ドルレートも4.06%上昇した。2005年7月21日の為替相場制度改革以来、対米ドルレートは累計18.2%、対香港ドルレートは累計18.34%上昇したことになる。「広州日報」が伝えた。
一般市民にとって、人民元上昇による影響で最もはっきりしているものは、米ドルや香港ドルの価値が継続的に下落したため、保有する外貨資産の価値が大幅に減少したことと、海外旅行や海外製品の購入に値頃感が増したことだ。
昨年米国で博士号を取得し、現在は香港で働く林さんによると、米国留学中、公立の学校の学費は比較的安かったが、それでも年間約2万ドルが必要だった。これを人民元に換算すると、改革前は約17万元が必要だったが、今ではわずか14万元で済むようになった。
ある旅行会社関係者によると、人民元上昇により、大陸部住民の香港・澳門(マカオ)での消費が一層値頃感を増した。人民元上昇を受けて、香港や澳門の大型ショッピングセンターのほとんどでは人民元で買い物ができるようになり、大陸部住民は出発前に大量に両替する必要がなくなった。買い物はカードでも人民元の現金でも行え、香港ドルへの両替は小銭程度にしかしなくなった。
人民元上昇により、現在香港では大陸部住民の消費が非常に旺盛だ。香港のあるブランド化粧品販売店によると、これまで大陸部住民の買い物といえば、価格の換算や販売員との値引き交渉に長い時間が費やされたものが、今ではこうした光景はみられず、釣り銭にまったく注意を払わないケースもあり、商売は大いに順調だという。
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