香港の九竜観塘に住む鄧さんは「ここ2年余り、人民元はまるでヘリコプターみたいに休むことなく上昇してきたが、ここ最近は特にすごいことになっている。先だっては1香港ドルで約9角の人民元に両替できたが、今では9角に達しない」と話す。鄧さんがこのほど銀行で2万元を購入した際には、2万2400香港ドルが必要だったという。
香港では米ドルペッグ制(連動相場制)が行われ、香港ドルと米ドルとは連動するため、米ドルが弱体化すると、香港ドルの対人民元レートも連動して下落することになる。鄧さんは人民元の将来性を高く評価して、昨年初めには銀行で人民元建て口座を開設し、香港ドルをせっせと人民元に両替して投資としている。鄧さんは昨年、人民元の価値が香港ドルを上回るやいなや、一気に20万元の人民元を購入した。今この20万元を香港ドルに再両替した場合、利益率は10%を超えるという。
度々広東省に出向くという鄧さんは「以前は大陸部で香港ドルを使うことに優越感を覚えたが、今ではそんなことはまったくない。香港ドルの値打ちがなくなり、今や深セン市で香港ドルを受け取りたがる店はなくなった。受け取った香港ドルの価値が瞬
間に下がることを心配しているのだ。大陸部に出向く回数も自然に以前ほど頻繁ではなくなってきた」と話す。
香港では人民元を銀行に預けても利息は極めて低い。聡明な鄧さんは深センの銀行で口座を開設しており、ここ数日は手元にある人民元をすべてこの口座に移し、少しで多くの利息を稼ごうかと検討中だ。鄧さんは「年利4%はまだ上がる可能性がある。現在株式市場は低迷しており、人民元を買った方が株を買うより得だ」と話す。
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