国内開拓に乗り出す輸出企業
中国輸出商品交易会(通称・広州交易会)は、1957年春の創設以来40年の歴史を誇る総合国際貿易盛会である。毎年春と秋に広州で開催されており、国内で最も歴史が長く、最大規模で、出展商品の種類が最多、来場するビジネスマンが最も多く、成約効果が最も高い。人民元価値の上昇圧力により、中国の多くの輸出企業が苦境に追い込まれている現状において、広州交易会で中国の輸出事情が垣間見られるのではないか?「国際金融報」記者が一部出展企業の取材にあたった。
広州の某上場企業は今年初めて、広州交易会に出展した。顧客担当経理の陳氏によると、同社製品は基本的に国内では販売されておらず、人民元高による影響がかなり大きい上、原材料の値上がりにより、年間利益は30%以上減少する見通しという。同社が今回広州交易会に出展した狙いは、輸出拡大ではなく、国内市場開拓にある。彼らには、内需によって外需を補うという選択肢しか残されていない。
決済方法に注意を払う出展企業
上海からやって来た呉氏は、医療保険器具を取扱っている。交易会初日、呉氏はまずまずの収穫を得た。ブラジル、中東、欧州各地および馴染み客を含む24人の顧客と商談を行った。決済方法の違いによって、呉氏がオファーする価格も変動するようだ。オファー価格は人民元建て決済の場合が最も低く、次いでユーロ建て決済、ドル建て決済価格が最も高かった。
呉氏に限らず、展示業者は軒並み決済方式に注意を払っているようだ。ドル決済の場合、メーカーは2,3カ月後の先物為替レートを参考に価格を見積っていた。見積りが甘いと簡単に差損が生じるため、このやり方は彼らの商売をより困難なものにしている。
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