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国際通貨化の足取りが速まる人民元
発信時間: 2008-04-24 | チャイナネット

人民元の国際通貨化への障害

北京師範大学金融研究センターの鐘偉主任の話では、米ドル下落に後押しされてはいるものの、人民元が短期間内に国際通貨になるのは難しく、今後十年間で人民元はアジアの主導通貨となれるにすぎないという。

人民元が国際通貨になるには、まず国際貿易の決済通貨、地域性通貨となる必要がある。この過程において、一部の国の中央銀行が人民元を準備通貨とし、その後、人民元レートの形成メカニズムの完備にともなって自由に両替できるようになり、こうして人民元が国際通貨になっていく。しかし、中国の為替レート改革は始動したばかりで、為替レートのメカニズムがまだ完全でないため、人民元の自由兌換への道はまだ遠い。

中国政府にとって、人民元を自由化するには、まず健全な銀行システムが必要である。そのため、国務院は早くもまず国有商業銀行改革を行い、そのうえで為替レート改革を行う方針を確立した。人民元の国際化のスピードは中国商業銀行改革のプロセス次第である。しかし、現在のところ中国の銀行改革はまだ完了していない。

人民元の国際影響力は日増しに大きくなっているものの、銀行改革が完了する前に人民元の自由化がスタートすることはないと言える。

「北京週報日本語版」より2008年4月24日

 

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