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預金準備率、再び引き上げの背景
発信時間: 2008-05-14 | チャイナネット

あるアナリストによると、第1四半期(1~3月)に南部で大雨、大雪、凍結災害が発生したことを受けて、対策や再建に向けた投資支出や資金貸付が増大した。また近年の投資の伸びの変化をみると、第2四半期(4~6月)には投資の増加率が拡大し資金貸付量が増えることが多く、今年もそうした傾向がみられるという。

中国建設銀行研究部課題チームがこのほど発表した分析報告によると、通貨供給量の伸びが中国経済の直面する経済過熱リスクとインフレ圧力を増大させている。国家統計局が9日発表したデータによると、工業製品出荷価格(PPI)は3月に前年同月比8.0%上昇したのに続き、4月も同8.1%上昇した。PPIが2カ月連続で8%台を記録したのは久しぶりだ。

中国社会科学院の彭興韻さん(専門は金融)によると、資金貸付の伸びを抑制すると同時に、高い水準にある消費者物価指数(CPI)にも対処しなくてはならない。現在の物価上昇は主に構造的な要因によるものだが、通貨をめぐる要因の影響もある。

国家統計局が12日発表したデータによると、4月のCPIは前年同月比8.5%上昇し、上昇率は前月を0.2ポイント、前年同月を5.5ポイント、それぞれ上回った。

亜細亜開発銀行中国代表機関の荘健・高級アナリストは「預金準備率の引き上げは当今のCPIデータに対する迅速な反応であり、中央銀行のCPIデータに対する注目ぶりを示している。過剰な通貨供給量はインフレをもたらす主要因ではないが、市場の通貨供給量が過剰になると、インフレ圧力が高まる」と指摘する。

中央銀行は昨年6回にわたり金利を引き上げた。今年はインフレ圧力に直面しているが、再び金利ツールを使用してはいない。こうした動きについてある専門家は、中国の金利政策は国際的な諸要因の影響を受けており、預金準備率の引き上げという数量型のツールが、目下の通貨引き締め政策における主要な実施手段となっていると述べる。またある市場関係者の試算によると、このたびの準備率0.5ポイント引き上げにより、流動資金2千億元が凍結されることになるという。

「人民網日本語版」2008年5月13日

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