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四川大地震、中国の労働力に影響あるか?
発信時間: 2008-05-27 | チャイナネット

中国人民大学労働人事学院人力資源管理学部 文躍然主任

一般的にいって、人材資源は二つのものから構成される。一つは現実に存在する労働力人口で、これまでに発表した死傷者数をみれば、労働力の減少は明らかだ。

もう一つは労働力資源の再生能力で、これも今回の地震で深刻な影響を受けた。多くのデータや報道によると、地震による学校への被害が大きかったこと、児童・生徒が避難できなかったことなどから、未成年者の被害が大きくなった。また地震により多くの家庭が構成員を失ったことなども、労働力の再生に長期的に影響を与える要因になる。

また今回の地震により、沿海地域への人材資源の供給にも影響が出るとみられるが、大きな影響ではないだろう。四川省は出稼ぎ者が多いが、こうした人たちは地震の被害を受けていない。長期的にみればそれなりの影響はあると思われるが、労働集約型産業が多い地域で、地震により産業構造が変わるということはないだろう。

地震は四川省外の人材資源供給に短期的には大きな影響を与えないが、四川省自体の経済には致命的な影響を与えた。ここ数年来、西部大開発戦略の深化に伴い、沿海地域の労働集約型産業が同省に移転し始めており、これは同省経済の発展にとって一つのチャンスだ。だが同省は今回の地震により、労働力分野での優位性をすでに、あるいは一部失ってしまった。

四川経済は今後、長期的な発展を遂げる必要があり、カギは労働力資源の早期回復だ。労働力資源は経済が長期的に発展するための動力源であり、資金では買えられないものであり、ここには資本や技術などの生産要素が凝縮されている。そこで長期的な被災地の労働力発展メカニズムを構築する必要があることを提案する。たとえば、専門家を同省に派遣する、各種学校の卒業生を同省で就職させる、他省の人を同省に移住させる――などだ。また同省では一人っ子政策を適宜緩和し、出産を奨励して、労働力を迅速に回復させることも提案する。

「人民網日本語版」2008年5月27日

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